グラスウールは石綿のように有害なのでしょうか。
解体する予定の建物には、断熱材としてグラスウールを使っているそうです。
アスベストのような発がん性は認められていません。
グラスウールとアスベストは大きく異なる
断熱材に使われている綿ということで、アスベストのような肺がん、中皮腫を心配される方もいらっしゃいますが、グラスウールとアスベストの有害性は大きく異なります。現在、製造を禁止されているアスベストは、繊維一本あたりの直径が0.02〜0.35μ(ミクロン)と非常に細く、吸入した際に肺の中にとどまり、様々な健康被害を引き起こします。それに対して、グラスウールは繊維一本あたりの直径は、3〜9μで比較的大きく、吸入されても肺に到達する前に鼻や気管支で除去されます。また、肺に入ったとしても、マクロファジーと呼ばれる細胞により体外へ排出されるため、健康への被害は少ないといえます。WHO(世界保健機関)の発がん性リスクでも、アスベストがグループ1(発がん性がある)と分類されているのに対して、グラスウールはグループ3(人に対してがん原性は分類できない)とされています。
吸い込まないことに越したことはない
ただし、グラスウールの粉末はじん肺の要因になり得ますので、吸い込まないのに越したことありません。質問者様がもし作業者であれば、防じんマスクやゴーグルを装着し、グラスウールの粉じんと接触する機会を減らすことをお勧めします。また、質問者様が施主もしくは解体現場近隣にお住まいであった場合、解体作業中は窓を閉めておいたり、洗濯物を室内干しにするのが望ましいでしょう。作業員として、日常グラスウールに接触するのでなければ、それほど心配する必要はないといえます。