着工前に工事代金の全額支払いを求められたら?
解体工事をするにあたって、見積り金額が安かった業者に依頼することに決めて契約をするつもりでいましたが、「支払い条件として着工前に工事代金を全額支払って欲しい」と言われました。てっきり分割か工事後の支払いだと思っていましたが、解体工事というのは先払いが一般的なのでしょうか。
経営状態が悪い業者か、悪意のある業者の可能性があります。応じない方が無難です。
支払いの慣例
業者によって工事代金を請求するタイミングは異なりますが、解体業界で一般的な例としては下記の二つのどちらかです。
工事後全額
着手金は存在せず工事が終わって現地の確認を施主が行った後、全額を請求する。
分割払い
着手金、中間金、最終金というように、工事の進捗度合いに合わせて1/2ずつもしくは1/3ずつ請求する。解体工事会社は工事中、作業員への人件費や重機の燃料代等を代金回収前に負担しなくてはなりませんので、小規模な工事であるほど工事後全額払いを選択し、大規模な工事であるほど分割払いを選択する傾向にあります。しかし、工事前全額払いというのは普通ではありません。
お勧めできる業者ではない
このような要求をする業者は何らかの問題を抱えており、後々トラブルになるリスクが高い業者です。実際にどのような事情があるかを推測してみたいと思います。
経営状態が悪い業者
資金繰りに困っている経営状態の悪い業者である可能性があります。作業員の給与や燃料代を工面するゆとりがないため、代金を先に回収することで資金の工面を試みているかもしれません。資金面での不安が常につきまとうため、工事途中で続行が不可能となり現場を投げ出してしまったり、工事後の手直し等の責任逃れをするリスクが考えられます。
悪徳業者
最初から施主を欺そうとしている悪徳業者の可能性があります。工事代金を受け取った後、契約内容を反故にし連絡が取れなくなってしまうということがあるかもしれません。
いずれにしても施主が何らかの損害を被る可能性はあります。
支払い条件の変更を申し出て、ダメなら断る
まずは業者に対して支払い条件の変更を申し出てみましょう。先の、お勧めできない業者でなければ、きっと要望には応じてくれるはずです。もしも、要望に応じてくれないようであれば、リスクを回避するため断った方が無難だと思います。