解体中の建物は危険ではないでしょうか?
現在、所有している建物を解体していますが、台風が多い地域のため、解体途中の建物が風で倒れてしまったり、建材や足場が飛んで隣家にぶつかって傷をつけたり窓ガラスを割ったりしないか心配です。大丈夫でしょうか。
極力倒れるリスクの低い方法をとりますが、施主側の注意や事故を招くような交渉をしないことが重要です。
解体工事会社も工夫はしている
万が一、建物が倒れ事故につながった場合、施主だけではなく近隣の方にも大きな迷惑を掛けることになるので、業者はそのようなことが起きないよう工夫をしながら工事を行っています。解体工事は、隣家から遠い部分から壊しはじめ、倒れる場合にも内側に倒れるようバランスを見ながら工事を進めていきます。又、工事の合間にも不安定な状態で建物を放置しないよう、日を跨ぐ時には危険要因を取り去り工事の手を休めるようにするのが一般的です。しかし、モラルの低い業者や、無理な工期、無理な金額での工事が強要される場合には、こうした配慮が不足し事故につながる事例があります。2010年、岐阜県で工事中の外壁が倒れ、高校生が下敷きになって死亡した事故がありました。この事故では、外壁が倒れないようワイヤーの設置や警備員の配置を行えば防げた事故ですが、そうしたことを省いたことで死亡事故につながった経緯があります。施主側としては、業者のモラルに気を配ると共に、過度な値引き要求をしないことが大切です。
養生や足場に関しても台風や突風の影響に気をつける必要があります
風が吹いた際には、養生シートがその影響を受けることになるため、十分な固定がされていなかったり、風があまりにも強い場合には倒壊の危険性が伴います。2012年には埼玉県で工事用の足場が倒れ、子供が下敷きとなって死亡するという事故がありました。こちらもマンションに足場のボルトを固定するという作業を怠って、工事を進めたことが大きな原因となっています。工事段階できちんとした計画をとっていることを確認すると共に、強風が予想される場合には養生シートを外すなどの工夫が必要です。