追加費用が生じる地中埋設物にはどんな物がありますか?
解体工事の際に、地中から障害物が出てくると余分に費用がかかるという話を聞きました。見積り金額とは別に、追加費用として予定外に請求されてしまうものですか?もし出てきてしまった場合は、いくらぐらいの追加になってしまうのでしょうか?
一般的な事例としては瓦、ガラ、岩、以前の建物の基礎、湧き水等が挙げられます。
可能性は高くないものの、他人事ではない地中埋設物
地中埋設物と聞くと、「そんなの滅多に無いことだよね?」という声が返ってきそうですが、まったく可能性が無いとも言い切れません。
あくまでも経験を基にした感覚ですが、およそ5%(20軒に1軒)の割合で、地中から何らかの物が見つかっています。
見つかる物体は様々
それでは、どのような物が出土するのでしょうか?実際に例を挙げてみていきましょう。
瓦・ガラ
最も多いケースが、瓦・コンクリートガラなど、以前に人為的に埋められた廃棄物です。先祖もしくは以前の土地所有者が、正しく処分する費用や手間を惜しんで埋めたことが考えられます。
土地を購入した方の場合は、瑕疵担保保証に該当する場合が多いため、不動産屋さんに相談してみましょう。処分費用を売主に負担してもらえるかもしれません。
岩・石
大小様々ですが、岩石もよく耳にする事例です。
最近の住宅は基礎を深めに掘ることが多いため、以前の建築では問題にならなかった岩が、建築の妨げとなることがあります。もし見つかった場合は建築会社に確認し、撤去するべきかどうかを判断してもらうと良いでしょう。
タイヤ・衣服
それ程多い事例ではありませんが、タイヤや衣服等も埋められていることが有ります。
こちらも建築の妨げとなることが多いですので、解体工事会社に撤去を依頼して下さい。
医療廃棄物
ごく稀に、注射器等の医療廃棄物が見つかることもあります。
未使用であれば良いのですが、体液・血液の付いた医療器具は感染性廃棄物としてみなされるため、処分には特殊な許可が必要です。(特別管理産業廃棄物収集運搬業・特別管理産業廃棄物処分業)
一般的な解体工事会社がそのような許可を持っていることはありませんので、まずは役所に相談してください。
以前の建物の基礎
稀なケースですが、今回壊す以前に建っていた家屋の基礎が残っていることもあります。
現在の建物の基礎が解体費用に見込まれていることは当然ですが、それ以前の建物については事前に予期できない部分になりますので、追加費用は必至です。
解体工事会社・建築業者と相談し、撤去を依頼しましょう。
湧き水
地下に水脈が走っている土地の場合、土を動かすことによって水の流れが変化し、湧き水が噴出することも有ります。
水浸しになってしまうような場合には、排水経路を作るなどの措置が必要になります。
その他
あってはならないケースですが、人骨が発見されたという事例も耳にしたことはあります。
こればかりは、無いことを祈るしかありませんね。
多くの場合数万円の追加で済むものの、中には大きな出費になることも
このような埋設物が見つかった場合、その処分にかかる費用は施主が負担することが一般的です。
ガラや瓦などのケースでは10万円以下の追加費用で済むことが多いですが、湧き水や感染性廃棄物ともなると、それ以上の費用がかかってしまうこともあります。
無事を祈りながら、万が一の心構えをしておくのは大切です。
事前に業者の対応を確認しておくことが肝心
もう一つ忘れてならないのは、このような事態が起こった場合の、費用・対応を事前に解体工事会社に確認しておくことです。
解体工事の見積書を見ていただくと、特記事項として「地中埋設物は別途費用になります」という記載がされていることは多いと思いますが、解体工事会社と契約をする前に、実際に担当者に確認をしておくとトラブルの可能性は格段に減ります。
追加費用で嫌な気持ちにならないためにも、ぜひ事前の確認を行ってください。