建物の火事跡が解体中に見つかり追加費用を請求されたのですが、妥当でしょうか?
自宅で過去にボヤがありましたが、燃えた範囲が狭かったため、焦げてしまった部分だけリフォームをしてそのまま住んでいました。その住まいを建て替えることになり解体工事が始まりましたが、工事中に壁の中が焦げていることが分かり、解体業者から追加費用を請求されています。焦げているとなぜ処分費用が加算されるのでしょうか。妥当な請求でしょうか?
見積り時点でその事実を伝えていないのであれば、業者としても火事の事実を確認できませんので追加費用はやむを得ないかもしれません。
燃えた廃材の処分費用は割高
追加費用の要因として火事跡の発見が挙げられていますが、火災で燃えた建材は通常と異なった処理方法をしなければなりません。一般に建物の廃材は産業廃棄物に分類されるのに対し、火災にあった建材は、火災ゴミとして一般廃棄物に分類されます。持ち込む処分場も通常の産業廃棄物とは異なり、一般廃棄物の処分場に持ち込みます。更に処分費用も高額になることが多いです。自治体によっては火災後に消防署から罹災証明の発行を受けることで、ゴミの処分費用が減額されたり免除されることもあります。一度、消防署に問い合わせても良いでしょう。
事前に業者に伝えていたか
追加費用の妥当性を考える上でのポイントは、業者に火事の事実をどのように伝えていたかということです。
「火事があり、リフォームをしたが壁の中は分からない」
壁の中が焦げているリスクを推測できる内容です。業者としても「もし壁の中が焦げていたら、追加費用が掛かる可能性があります」という説明があってしかるべきでしょう。
「火事があったが、すべてきれいにリフォームした」
火事があったことは知っていても、火災ゴミの存在には気づかない可能性が高いです。施主が事実認識をしてないと同様に、解体工事会社にもその責を求めるのは難しいでしょう。
何も伝えてない
業者としては事実を把握する手立てがありませんので、責を求めるのは難しいでしょう。
近近なら保険適用の確認を
もし火事が近近にあった内容であれば、一度保険会社に保険が適用されるかどうかを確認するのも良いかもしれません。保険の契約条件によるかもしれませんが、場合によって保険金を解体費用に充当できる可能性もありますので、一度確認いただくと良いと思います。
建物の経歴は見積り時に伝達すること
火事に限らずリフォームや増改築といった建物の経歴は、漏らさず解体工事会社に伝えていただくと良いでしょう。プロといえど、すべてを把握できるとは限りませんので正確な見積りのためには施主の協力も必要です。追加費用が出ても良いことはありませんので、積極的な情報開示が必要です。