解体対象の建物面積の測定ミスによる追加費用の支払い義務はありますか？

解体工事中に業者から「思ったより建物が大きかった」と追加費用を請求されています。事前に建物をしっかり確認し、その上で見積りを出してもらったにもかかわらず、業者側の測定ミスで追加費用を請求されてしまうのはおかしいのではないでしょうか。施主に支払う義務はありますか？

一般に支払い義務はない内容だと思われます。正当性を主張して下さい。

単純な業者側の過失

今回のトラブルは解体工事会社が事前に建物の大きさを計ったにもかかわらず、思ったよりも大きかったという内容ですが、単純に解体工事会社の過失であると思われます。おそらく、工事請負契約は該当の建物を見積もりどおりの金額で壊す、という内容になっているかと思いますので、解体工事会社がそれを行わない場合は契約の不履行となります。施主側に追加費用を払う義務は一切ありません。

他の追加費用とは異なる点

解体工事の追加費用で代表的なものは、地中埋設物の撤去費用です。地中から岩やガラ等が見つかった場合などは、解体工事会社としても事前に予期できない内容となりますので、元の解体工事とは別項目として、別途費用を施主に相談することが一般的です。しかし、今回の場合は、見積もり時点で間違いなく内容を把握できるものであったはずですので、埋設物のケースとは大きく異なります。

断固として主張し、工事完了まで代金支払いをストップすること

解体工事会社がどのような事情で先のような主張を行ったかにはかかわらず、施主は業者に対して工事完了を求めそれまでは代金の支払いを控えていただくことをお勧めします。万が一、解体工事会社が工事の続行を拒否したとしても、費用を手元に残しておけば、代わりの業者への依頼を検討することができます。

万が一、嫌がらせや訴えを受けたら

もしも、解体工事会社から何らかの高圧的な態度や嫌がらせを受けた場合には､消費生活センターに相談しその上で弁護士への相談を検討しましょう。

契約前の現状確認は必ず実行

ご相談内容では解体工事会社が現場を見ていた、というお話でした。しかし、その後に施主が業者からの電話などで概算費用等を確認し、正確な見積りもなく工事を進めてしまうと大きなトラブルを招きます。真っ当な業者であれば見積りをせずに工事を進めることはあり得ませんので、発注者（施主）としてもトラブル防止のために、正確な見積りをベースにした発注をするよう気をつけましょう。