工事中に作業員が負傷した場合、依頼主は不利益を被りますか?
解体工事中に現場作業員が怪我をしたそうです。契約上、その医療費などを依頼主が負担しなければならないなど、施主が不利益を被ることはありますか?そのせいで工期が延びて追加費用を請求されるということはないでしょうか。
工事の遅延が起こりうる不利益です。
工事の遅延があり得る
作業員が負傷した場合、工事を進める人員の欠如によって工期が延びることが心配されます。すぐに代わりの作業員が補てんされれば問題ないのですが、小規模な会社の場合、代わりの人間が確保できないばかりか事故処理に手間を取られ、工事が進まなくなってしまう可能性があります。心情としては、仕方のないことだと感じていただくかもしれませんが、業者側に起因する遅延ですので工事が進むよう責任を全うしてもらいましょう。
治療費や慰謝料の請求はない
ご心配されていることは作業員の治療費を負担する責任があるかという点かと思われますが、そのような心配は一切必要ありません。治療費に関しては、解体工事会社の保険で負担される内容であり、業者側に起因するものですから施主側が何らかの対応が求められることはありません。
気遣いはしても良い
施主に責任はないものの、負傷者への気遣いをしていただくことは問題ありません。「大丈夫ですか」の一言だけで、気持ちが救われることがありますので、お声掛けいただいても良いでしょう。
労災について
ちなみこのような事故の場合、労働者災害として労災保険(労働者災害補償保険)が適用されます。解体工事会社は負傷者もしくは負傷者の親族を通して、労働基準監督署に労災の届出をする義務がありますが労災が認定された場合、保険料が上がったり、会社の責任や態勢を問われるケースがあるため届出をしない業者もいます。これは「労災隠し」といわれ立派な犯罪です。中には労災保険に入っていない業者も存在しますが、それ自体が違法になります。予備知識として覚えておいていただくと良いかもしれません。