引越し前に仏壇の精抜きをしたのですが、精入れはいつ行うべきですか?
仏壇を移動するときは精抜きという作法を行ったほうがいいと言われ、菩提寺の住職にお願いして解体工事の前に仏壇の精抜きをしました。
お寺によって異なりますが「新居に移した時」もしくは「仮住まいへ移した直後」です。
明確な決まりは無い
初期の仏教の考え方によると、「霊魂は存在しない」とされています。
現在では俗説的に「仏壇には魂が宿るので、精抜き・精入れが必要である」という考え方が広まっており、お寺もそれに対応していますが、厳密に言えばそもそも霊魂が無いという考え方が始まりですから、仏教全体を通じての明確な決まりはありません。
慣習的には「新居に移した直後」か「仮住まいへ移した直後」
慣習的に行われているのは、「新居に移した直後」もしくは「仮住まいへ移した直後」です。
新居に移した直後
仮住まい中は精入れを行わず、建物が完成したタイミングで精入れを行うケースです。
仮住まい中に行う場合と比べると、時間的にも金銭的にも負担は少なくなります。
仮住まいへ移した直後
仮住まいに移したタイミングで精入れを行い、新居に移る前にまた精抜き→新居で精入れ、というケースです。
ご自身に加えてお寺の方の拘束時間も長くなるため、お布施も割高になる場合があります。
こちらのケースを選択するのであれば、精抜きと精入れを同日に行い、負担を減らしていただくと良いでしょう。
独自で判断してしまうと面倒なことになる場合も
そもそも、いつおこなうべきかという定義がはっきりしていない精入れですが、多くの人に認知されている現在では、さまざまな解釈を持っている方がいらっしゃいます。
なかには、
「仮住まい中にするべき精入れを行わないなんて、祖先をないがしろにしている。」
「仮住まい中に行うなんておかしい。」
というような意見を後々ご親族から受けてしまうことも有り得えます。
精入れをいつ行うかはお寺の判断にしたがうのが、後で嫌な気持ちにならないポイントです。(それであれば、ご親族から文句を言われることもないはず・・・)
まずはお寺に確認を
まずは普段からお世話になっているお寺に電話を入れ、どのようにするべきかを確認しましょう。
「精入れのタイミングはいつにすれば良いのでしょうか?」と質問してください。