見積書に『見積金額』と『NET金額』の表記があるのですが、どちらの金額が正しいのでしょうか。
解体工事の業者に見積りを依頼したら、見積書に合計金額の表記が2種類ありました。「見積金額」は意味がわかりますが、「NET金額」とはどういう意味でしょうか。それぞれ金額が違いますが、高いほうと安いほうのどちらが実際に支払う金額になるのか教えてください。
業者によってNET金額の意味合いが異なるため、最終的には業者の確認が必要となりますが、値引き交渉の参考価格として利用しても良いでしょう。
NET金額の意味は主に2種類
NET金額とは、本来は依頼主には直接関係のない金額と言えますが、約2割ほどの業者が見積書に記載している項目です。
見積書に2種類の金額が載っていると、「結局、どっちなんだろう?」と戸惑ってしまうことと思いますが、どちらの金額が契約金額になるのか、業者への確認が必要です。
NET金額の意味としては主に2種類のものがあります。
①受注業者の原価
手数料や、元請け業者から下請け業者へのマージン分などを差し引いた工事のみの金額です。
②値引き後の最終金額
「ここまでは値引きに応じられます」という最低ラインの金額です。
NET金額の意味は業者によってまちまち
①と②では、依頼主にとっては真逆の意味になります。
①の意味として見積書に表記がある場合は、NET金額は受注業者にとって原価にあたるため、NET金額ではないほうの見積金額が工事金額となります。
逆に、②の場合でしたら受注業者のマージンも含んだ上で値引きできる最低ラインの金額なので、NET金額に近い金額で契約することができます。
よって、見積金額とNET金額の両方の表記がある場合は、どちらが契約金額になるのか自己判断せずに業者に確認しておきましょう。
どちらの意味でも、値引き交渉の判断材料になる
NET金額の意味をいちいち訊ねてみないと本当の契約金額が判断できないことは、依頼主を戸惑わせてしまいますので、NET金額を表記してしまうことはあまり適切とは言えません。
しかし、①の場合でも②の場合でも、依頼主にとって値引き交渉をする際の判断材料となりますので、交渉がしやすくなるという面もあります。
NET金額の表記がされていたら、まずは業者にその意味を質問していただき、その上で価格交渉へ進んでいただくのが良いでしょう。