値引き交渉によるデメリットは?
家を建てる場合、無理な値引き交渉をしすぎると建材の質が落とされるので良くないという話を聞いたことがありますが、ただ壊すだけの解体工事でも同様のデメリットはあるのでしょうか。古い建物を壊してしまうだけなので、できるだけ安く済ませてしまいたいというのが正直なところです。
1〜2回程度の交渉であればデメリットが生じる可能性は低いのですが、あまりにも多くの値引き要求を行った場合、業者との関係悪化、工事の質の低下、事故のリスク増大などが生じるかもしれません。
軽度であれば問題はない
1〜2回程度の値引き交渉であれば、質問者様が心配されるようなデメリットが生じる可能性は低いといえます。余分な出費は少しでも抑えたいというのは施主共通の気持ちですから、解体担当者もそれについての一定の理解はしてくれます。担当者としても施主の思いに応えたい、という気持ちで金額が安くなるよう努力をしてくれることでしょう。
しつこすぎるのは問題
一方であまりに回数の多い値引き交渉や強い要求をしすぎるのも禁物です。様々な点においてデメリットを生じさせる可能性があります。
業者との関係悪化
業者の施主に対するイメージが悪化し、積極的に協力しようとする姿勢を削いだり、業者から断られてしまう可能性があります。担当者も人間ですのでいくら仕事とはいえ、無理な要求をする施主には悪い感情を抱いてしまうのは無理もありません。要求が強すぎたり、横柄な態度を取ってしまうと、「そのようなお客さまとは、お付き合いするつもりはありません」とそっぽを向かれてしまうこともあります。
工事の質の低下
値引きによって十分な経費が確保できなかった場合、業者は利益を確保するために作業員を減らしたり、工事時期を短めに設定し突貫工事を行うことがあります。少ない人員で短い期間の工事を行おうとすれば当然一つひとつの作業が雑になりますので、ガラの取りこぼしや近隣への配慮の欠如など様々な点で質の低下が生じます。
事故のリスクが増大
無理な工事は質の低下だけにとどまらず事故のリスクを増大させます。焦る気持ちで雑な工事を行っていればいつかは事故につながります。不注意によって近隣の塀やフェンスを傷つけたり、最悪の場合、人身事故に発展することもあります。施主としても安全な工事を発注する義務がありますので、避けなければならない事態です。
発注者責任を忘れず節度を保った交渉を
このように過度の値引き交渉は様々なデメリットをはらんでいます。施主自身にとっても良くないことへとつながりますし、なにより近隣の方へご迷惑をお掛けすることになりますので、発注者責任を忘れず節度を保った交渉を心がけて下さい。