解体工事中にガードマン・誘導員の配置は必要ですか?
現在、家の取り壊しを検討しています。複数の解体業者から見積りを取って比較してみましたが、項目を見るとガードマンの費用が見積りに入っている業者と入っていない業者がありました。確かによく工事現場でガードマンが立っているのを見かけますが、一軒家の解体工事でガードマンは本当に必要なのでしょうか。
道路上での作業を行う場合には、ガードマンの配置を必須とする自治体がほとんどです。また、道路上で作業を行わない場合でも、解体工事会社の配慮により配置される可能性もあります。業者の安全対策に関する考えが現れる箇所ですのでしっかりと確認しましょう。
道路上での作業を行う場合には必須
道路上で作業を行う場合、解体工事会社は管轄の警察署に対して、道路使用申請を行うことが義務付けられています。道路交通法では誘導員に関する記載はされていませんが、各自治体の条例や要項等によって誘導員の配置が義務付けられていることがほとんどです。例として東京都の道路使用許可取扱い要項をご紹介します。
第14 許可条件の遵守状況の調査等
2調査事項
(6)歩行者及び車両を安全かつ円滑に誘導するための措置
それ以外でも配置されることはある
道路使用許可を取らない場合にも、解体工事会社の安全対策や近隣対策でガードマンが配置される場合があります。例えば、前面道路が通学路であれば、小さな子供が頻繁に通ることが考えられます。子供は好奇心で危険な場所に入り込むことがあり、重機の運転手からも目視されづらいので事故に巻き込まれるリスクがあります。このような場合、事故を防ぐためにガードマンを配置します。
業者の安全対策・近隣対策が現れる
ガードマンの配置については業者間で見解が分かれることが珍しくありませんが、これは業者の安全管理に関する意識を測る良いチャンスです。各業者がどうしてそのような計画としたのかの理由をヒアリングし、法律や安全管理に関してどのような見識を持っているかの判断材料にすると良いでしょう。管理が甘いと感じる業者に関しては、工期や養生面積といった項目に関してより厳しいチェックをしましょう。
施主として責任を持った対応を
ガードマンの配置については業者に課せられた義務ですが、ずさんな工事計画によって事故が起こり、近隣の方に迷惑を掛けるのは施主としても絶対に避けなくてはなりません。項目をしっかりと精査すると共に、基準が甘いと感じた場合にはガードマンを増やすなどの見直しをするよう業者に求めることは大切です。
補足:ガードマン費用の相場
ガードマンは解体工事会社が警備会社に派遣を依頼するのが一般的です。ガードマンの日当にして1〜1.3万円程度ですので、それに警備会社の利益を乗せると(解体工事会社の利益が乗る場合もあります)1.5〜2.5万円程度が費用としては妥当です。あまりにもかけ離れた費用の場合には、値下げの交渉をするのも一つです。