解体工事で最低限押さえるべきポイントはありますか?
これから家の取り壊しを行おうと思っていますが、初めてのことなのでよくわかりません。誠意のない業者にあたったり、近所からクレームが出たりして、思いがけないトラブルで工事が滞ってしまったという話も耳にするので不安です。問題なく工事を終えるために、押さえておくべきポイントは何でしょうか。
法令順守の業者か確認すること、相見積りを取ること、業者と現地で立ち会いを行うこと、契約書を交わすこと、支払いタイミングに気をつけることの5点です。
法令順守の業者か確認すること
解体工事に関する法律として、廃棄物処理法や建設リサイクル法等複数の法律がありますが、それらの法律を順守して解体工事を行っている業者かを確認することが大切です。業者が違法な工事を行った場合に、発注者にも何らかの迷惑が掛かることが否定できません。そのようなトラブルを防ぐために法令を順守している業者かを確認した上で、発注することが大切です。具体的に次のような点を調べると良いでしょう。
- マニフェストを発行してくれるか
- 建設リサイクル法の届出を行ってくれるか
- 過去に指名停止処分や行政停止処分を受けていないか
- 許可を持っているか
- その他、法律に則った工事をしているか
相見積りを取ること
良い条件で解体工事を進めるためには、相見積りを取り条件比較を行うことが欠かせません。解体費用は保有重機や工法の工夫などにより、業者間で3割程度の開きが出るのは珍しくありません。良い条件の業者を選ぶためにも、3社程度の業者に見積り依頼を行うことをお勧めします。最近では相見積りが当たり前になっていますし、依頼時に「他の業者とも比較したいのですが、よいでしょうか」と伝えておけば、最終的に断ることになってもスムーズです。なお、あまりにもたくさんの業者に声を掛けてしまうと、1社ごとに細かく吟味をする労力をさけなくなるので注意が必要です
業者と現地で立ち会いを行うこと
見積り内容や施工範囲の伝達ミスによるトラブルを防ぐためには、業者を決定する前に業者と現地で立ち会うことが大切です。遠方などで頻繁に足を運べないような場合には、最初の見積り時点では業者だけで現地を見てもらうことも可能です。しかし、契約前には自身で足を運ぶか、工事範囲について理解のある親族に業者と立ち会ってもらいましょう。
契約書を交わすこと
解体工事を行う際には、契約書を事前に交わすことが建設業法によって定められていますが、トラブル防止のためにもこれは重要です。口頭での約束だけでは証拠が残らないため、後々「言った」、「言わない」といったトラブルになりかねません。契約金額、工期、施工会社名、契約解除の条件といった内容が盛り込まれた契約書を必ず交わしましょう。
支払いタイミングに気をつけること
施主のリスクを軽減するためには、支払いタイミングを考慮することも必要です。解体工事会社の中には、支払いがあったとたんに態度が変わったり、集金をして工事を投げ出してしまうような悪徳業者も存在します。自身の立場を守るためにも、工事完了後の全額払いか、工事途中での分割払いを選択するようにしましょう。工事前の全額払いを要求された場合には、悪徳業者の可能性があるため注意が必要です。