過去に増築した建物の解体をする時の注意点はありますか?
現在解体を検討している建物は、親の代からある古い母屋に部屋数を増やすために過去に増築たものです。解体業者に見積り依頼をする時には、増築のことを話したほうがいいのでしょうか。あとで何かトラブルに発展してしまうようなことは考えられますか?
増築した事実と増築した範囲を伝えていただくことが大切です。増築部分の構造が異なっていると、解体費用に影響が出ることがあります。また、増築部分からアスベストが見つかることがあります。
増築した事実と増築範囲の伝達が大切
先ず一番大切なのは、解体工事会社に「増築した事実」と「増築範囲」を伝えていただくことです。増築部分は外から見ても明らかなことが多いのですが、中には既存部分と上手く調和しており、一見し分からないことがあります。解体工事会社が見落としてしまうと、後々費用面でのトラブルになることもありますので、まずは先の二点を伝えましょう。
増築部分の構造が異なることがある
費用面でトラブルになるケースとして、増築部分の建物の構造が既存部分と異なっていることによるものがあります。例えば、建物の本体部分が木造住宅でそれに伴って見積りを作成したにもかかわらず、増築部分の構造体が鉄骨で、解体を始めてからその事実に気づき、追加費用が発生する場合があります。解体工事会社に落ち度がないとはいえませんが、事前に施主から「これは木造住宅です」と聞いていたのであれば、勘違いしてしまうのは無理ありません。費用をどちらで負担するのかというトラブルを防ぐためにも、事前に報告しておくことが大切です。
増築部分からアスベストが見つかることがある
更に、増築部分からアスベストが見つかることもあります。住宅に使われていたアスベスト建材として代表的なのは、スレート瓦やサイディング外壁、スラグ石膏板が挙げられますが、内装材(パーライト板、アスベスト紙を含む壁紙、スレートボード、ケイ酸カルシウム板等)に含まれていることもあります。建物自体の築年数が40年以上の場合には、このような内装材の存在を疑わずに工事を始めてしまい、工事中にアスベストの存在に気づくこともあります。構造の場合と同様にトラブルの原因となりかねませんので、建物を増築した場合には必ず業者に伝えましょう。