解体工事で建物から出た廃材はどのように再利用されますか?
家が壊されたあと、建物から出た廃材(柱、梁、基礎等)は、現在ではできるだけリサイクルされると聞きました。環境のことを考慮すると、自分が解体工事を依頼したときにもできるだけリサイクルしてほしいと思っています。解体工事で出た建材はどのようなものに再利用されているのでしょうか。
中間処理場によりますが、一般例として。
木くず
建物の柱や梁、建具等に使われる木材は木くずとして分類され、次のように再利用されます。
合板
木くずを細かく破砕し、それを接着補修しパーティクルボードや建築用合板として利用します。
製紙原料
細かく砕いた木材チップを薬品で煮て、木材繊維を取りだしパルプ加工します。
堆肥
細かく破砕し、牛糞等を混ぜ発酵させることで農業用の堆肥として利用します。
チップ燃料
木くずを破砕しチップにし、ボイラー燃料や暖炉、ペレットストーブの燃料とします。
バイオエタノール
破砕したチップに水と硫酸を加え、分離することでバイオエタノールを抽出します。
コンクリートくず
基礎やRC造りに用いられるコンクリートです。
埋立資材
細かく破砕され、埋立や道路の舗装に利用される骨材とします。
レンガ
細かく粉砕し圧縮することで、レンガとして再利用されます。
ガラスくず
窓ガラスや鏡から発生するガラスのくず。
ガラス原料
高温で溶かし再成形することで、ガラス原料として利用します。珪砂(ケイシャ)などのガラス原料と比べると、低温で溶かすことができますので、資源とエネルギーの節約になります。
塗装材料
破砕し砂利などを混ぜ合わせることで、道路や歩道の塗装材料とします。
骨材
粉々に破砕することで道路を舗装する時の骨材として利用します。
屋根瓦
屋根から除去した瓦。
骨材
陶器の瓦は通気性、保水性に優れており、道路の舗装材として利用されます。
石膏ボード
間仕切り・天井・内壁等に利用される石膏ボード
石膏ボードの原料
石膏ボードメーカーが引き取り、細かく砕くことで石膏ボードの原料としてよみがえります。
土壌改良材
石膏ボードの主な原料は硫酸カルシウムで、その性質を利用して強アルカリ性の土壌を改良するために使われます。
セメント原料
破砕し、コンクリートの骨材等を混ぜ合わせることでセメント原料として利用します。
金属くず
鉄骨造りの構造体や鉄筋コンクリート造りの建物で、コンクリートと共に利用されます。
精錬
金属くずに熱を加えて溶かし、その中から不純物を取り除くことで、鉄、銅、亜鉛、アルミニュウム、マグネシウム、レアメタル等を回収します。
紙くず
ふすま紙や障子紙、壁紙が該当します。(壁紙はビニール等を含みリサイクルが難しいため、焼却処分されるケースが一般的です)
製紙原料
古紙を水や薬品で混ぜ、繊維を取り出した後、インク等を除去することでパルプとして利用します。
固形燃料
紙くずと廃プラスチックを破砕し圧縮することで、RPFという固形燃料を作ります。
繊維くず
カーテンの処分を業者に依頼した場合も繊維くずとして扱われます。
固形燃料
廃プラスチック、紙くずと混合し圧縮することでRPFを製造します。
繊維原料
化学繊維の場合は再度、繊維として利用することが可能です。
プラスチック原料
化学繊維などの場合は、プラスチックの原料として再利用することも可能です。
廃プラスチック
キッチン、洗面台、浴槽といった設備に利用されたプラスチック類です。
プラスチック原料
廃プラスチックを溶かして新たなプラスチックを作る原料とします。
固形燃料
紙くず、繊維くずと混合し圧縮することでRPFを製造します。
サーマルリサイクル(熱利用)
廃プラスチックを焼却し、廃熱をエネルギーとして利用するものです。
ケミカルリサイクル
科学的に分解することで石油やガスを抽出します。