養生や近隣配慮の事前チェックポイントは?
家の取り壊しを控えていますが、密集した住宅街のため、工事中に建物の破片が飛んで隣家の壁に傷をつけたり、粉じんによって洗濯物が汚れたというような迷惑をかけないか心配です。できるだけ近隣に迷惑をかけないように細心の注意を払った作業をしてほしいのですが、業者に対してどのような確認を行えば間違いないでしょうか。
養生範囲、養生の仕様、作業員の配置態勢、工事期間、工事時間をチェックしましょう。
養生範囲
解体工事をする際に、ホコリや建物破片が飛散するのを防ぐために養生を行うのが一般的です。周囲に足場を組み、仮囲いをすることで近隣への迷惑を低減させるものですが、範囲が適正かどうかを確認しましょう。
面
隣家と接している側の面に養生計画があるでしょうか。住宅密集地では道路面にも養生を行い、建物を完全に囲い込むこともあります。
高さ
養生の高さは建物の高さ以上か。養生は「○○㎡」と見積りに記載されることが多いですが、面積を設置距離で割れば高さを割り出すことができます。一階建てであれば、4m程度。二階建てであれば6.5m程度は欲しいところです。
養生の仕様
設置する養生にも様々な仕様があります。適正な仕様が取られているかを確認しましょう。通常JIS規格に適合する金属製の足場を組み、その外に養生シートをかけることが建築物解体工事共通仕様書で定められていますが、木の丸太を足場に使う業者も少なくありません。法令で定められた規格以外の足場を利用する場合は、試験や構造計算でその安全性を確認することが推奨されているため、担当者に確認を行ったかの質問をしましょう。また、養生シートについては、工事内容によって防音パネル、防音シートへの変更を行うのが望ましい場合もあります。コンクリート造や鉄骨造の場合は、騒音・振動が大きくなる傾向にあるので、シートの仕様も確認していただくと良いでしょう。
作業員の配置態勢
作業員の配置態勢が適正かどうかの確認も大切です。解体工事中はホコリが舞うことが予想されますが、ホコリを防ぐための水まき要員は配置されているでしょうか。また、道路に車両を停める場合や交通量の多い道路に面している場合には、ガードマンの配置も欠かせません。更に、前面道路が通学路になっている場合は、より大きな注意が必要とされますので、そのあたりの配慮はされているかの確認はしましょう。
工事期間
工事期間は適正に設定されているかの確認をしましょう。30坪の木造住宅の場合に工期は7〜10 日が目安になりますが、あまりにも短いということはないでしょうか。極端な短工期であった場合、事故につながる可能性を増幅させるため注意が必要です。また、騒音を伴う工事を7日以上の連続で行うことや、日曜、祝日の作業は騒音規制法・振動規制法によって禁止されています。そのあたりも配慮されているか確認して下さい。
工事時間
工事時間は適正に設定されているでしょうか。騒音規制法・振動規制法では、午前7時から午後7時まで、かつ一日10時間以内という作業時間に関する取り決めがされています。また、法的な規制に加え、個別の近隣事情(子供が多い、交通量が集中する時間がある)も踏まえた上で、工事が計画されているか確認をすると良いでしょう。