各社で建物の面積(坪数)が異なっている理由はなんですか?
家の取り壊しにあたって、複数社から解体工事の見積書を取りました。各社の内容を比較してみると、それぞれ建物の面積(㎡)が異なっているのですが、なぜでしょうか。他社の見積書を見せて「御社と面積が違う」とも言えないので困っています。計測間違いなんてことはあるのでしょうか?
業者によって面積の出し方が異なる場合があるためです。
解体工事会社によって建物面積の算出方法が異なる
解体費用の根拠となる要素のひとつが建物面積ですが、その算出方法は業者によって様々です。業者によって算出方法が異なるため、見積書に計上される内容にも差が生じていると思われます。
謄本・建物図面より算出
法務局には建物の情報を記した登記簿謄本や、建物図面といった書類が保管されています。このような書類は誰でも取得することが可能ですので、その情報を元に面積の算出を行います。新築時の情報が正確であれば、正しい建物面積の根拠となりますが、初期の情報に誤りがあったり増築した時の情報を記載していない場合は、面積に差違が生じます。
実測により算出
建物の寸法を実際に測ることで面積を算出します。メジャーによって測定することもあれば、レーザー測定器を用いることもあります。建物の実体には最も沿っているといえますが、担当者の測り方によって多少の誤差が生じることは考えられます。
目測により算出
担当者が現地で目測によって建物の壁の長さを割り出し、そこから建物の面積を算出する方法です。日本の住宅は昔から寸法が尺単位と決まっており、窓や廊下の基本寸法は90センチピッチになるように設定されています。ですから、目測とはいえ9割以上の精度で建物の面積を算出することができます。
まずは担当者に確認を
面積が違った時の対応として、まずは担当者に確認を行っていただくと良いでしょう。面積の違いが算出方法の違いから来るものであれば良いのですが、解体範囲の漏れが原因であった場合には工事金額が変わる可能性があります。そのような理由から漏れがないかの確認は必要です。また、算出方法の違いで大きな面積差が生じた場合にも、価格交渉のひとつの材料としても利用できますので、担当者に確認していただくのが良いと思います。
価格交渉時には面積に拘りすぎないこと
面積が交渉の一材料になると述べましたが、面積に拘りすぎないことも重要です。施主に提示される解体費用の項目とは別に解体担当者は、「工事にどれくらいの日数がかかるのか」、「どれくらいの作業員が必要か」、「どれくらいの廃材処分費用がかかるか」という予測から原価を計算し、利益額を値引きで調整しています。ですから、値段交渉をする際には単に面積の差に拘るのではなく、「予算に近づけるため少しでも安くして欲しい」というスタンスで値引き交渉を行った方が、スムーズに話が進むことが予想されます。