井戸の息抜きは、いつまで続けるべきですか?

古い家屋を壊すことになり、敷地内にまだ残っていた井戸も取り壊すことになりました。井戸を壊して埋めるときには息抜きという作業が必要だと聞いたので解体業者に息抜きを依頼しました。挿した管はいつまで差しておくべきでしょうか。自分の判断で勝手に抜いてしまうといけないのでしょうか。

時期についての明確な決まりはありません。

息抜きは、そもそも慣習的なこと

井戸を埋める際に息抜きをする理由として、「井戸に宿る神様・精霊が、呼吸できるようにするため」というものや、「井戸から発生するガスが抜ける経路を確保するため」というものがあります。このどちらも、慣習的な理由であり、科学的な根拠が存在しているわけではありません。ですから、この息抜きをいつまでにやらないといけない、というような明確な定義もありません。

理由が神様の場合

息抜きをした理由が、神道でいう神様によるものであった場合は、ご家族の中でもっとも信心深い方の意見に従うのがいいでしょう。井戸の息抜きといったような風習、慣習に関することは気持ちの問題ですが、ご家族の方の意見を無視して管を抜いてしまうことは、後々家族間で遺恨が残ることもありますので、順序を守り穏便に進めていくのがいいでしょう。

補足=信心深い方に配慮するため、管を抜く際に、ご祈祷などを行った方がよいケースもあります。

理由がガスの経路を確保することの場合

井戸の息抜きがガスによるものであった場合は、特にいつ抜いても問題はありません。もともと土があった場所を掘って井戸を作ったのですから、それを戻してしまってもいいでしょう。

補足として

今回は井戸の息抜きに関する質問ですが、古来からの迷信には何らかの生活の知恵が含まれていることが多々あります。例えば、家相の鬼門には水回りを設置すべきではない、という考えがありますが、これは陽の当たりづらい北北東にトイレや風呂の設置を避けることにより、脳卒中等に罹るリスクを回避することにもつながっています。井戸の場合も、「息抜きが必要」として井戸の真上に新しい建物が建つことを防いでいることも考えられます。井戸は長期間水を使っている場所でしたので地盤沈下がしやすく、それを防ぐ意味で息抜きという行為を通して土地を乾燥させ、ひいては地盤の改良につなげたとも考えられます。先人の迷信、風習等を軽んじないことも大切なことではないでしょうか。

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