飲食店を居抜きにするメリット・デメリットはありますか?
テナント物件を借りて飲食店を経営していますが、赤字が続くので退居を考えています。退居する際に、原状回復をせず居抜きにして引き渡すと工事費用が抑えられると聞いたので、スケルトン工事をせずに居抜きを検討していますが、その場合のメリット、デメリットを教えて下さい。
退去に伴う出費を抑えられるのが大きなメリットです。一方で赤字店舗の場合、赤字が増える可能性があります。
居抜きのメリット
退去に伴う様々な出費を抑えるのができます。また、自身でしつらえた造作が売れる場合があります。
原状回復費
退去の際の原状回復が不要となるため、解体費用を抑えることができます。面積にもよりますが、飲食店の退去の際には、数十万円から数百万円といった解体費用が必要となります。これらの費用を抑えられるのは退去者にとって大きなメリットです。
造作の売却
施主が新装時に取り付けた設備や造作を、新しい借り主に売却し収入を確保できる可能性があります。造作が古かった場合には、新しい借り主から無料での譲渡を求められることも珍しくありませんが、造作が高価であったり新しく再利用が可能であると判断された場合には、思わぬ収入につながることがあります。
解約予告家賃
店舗を退去する場合、借り主は退去の申し出から2〜6カ月後の家賃(解約予告家賃)を負担する義務が契約書で取り交わされるのが一般的です。しかし、新たな借り主が居抜き物件のメリットを生かし、すぐさま入居・営業開始を行った場合に、解約予告家賃が免除される可能性があります。
退去直前まで営業
営業時に利用した設備等をそのまま残していくため、退去直前まで営業を行うことができます。黒字店舗であれば収益の増大につながります。
居抜きのデメリット
居抜きにはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。
赤字の増大
居抜きの特性として新しい借り手が見つかるまで、営業をする必要があるため、店舗自体が赤字だと営業期間を延ばすことにより赤字が膨らむ可能性があります。費用を抑えるために居抜きにしたつもりが、赤字の影響で費用が膨らんでしまうことも考えられます。
閉店の周知
新しい借り主を募集するために、借り主募集中である事実が公になります。これは閉店の事実に等しいため、これが知れ渡ることにより営業上、何らかの支障が出ることが考えられます。