悪徳会社は処分や処罰からどれくらいで復活しますか?
世間には不法投棄や暴力団と関係のある悪徳解体業者がいると聞きます。これから解体業者を探す予定なのですが、そのような業者にあたってしまわないか不安です。彼らが処罰を受けた後は半永久的に営業ができなくなるのでしょうか。営業再開が可能であれば、どのくらいで可能なのか教えて下さい。
業態や処罰の重さによりますが、不法投棄が発覚してもすぐさま営業を再開するのは可能です。事実、素知らぬ顔で営業を行っている業者は多く存在します。
多くの場合、すぐに再開可能
不法投棄や暴力団との関係が発覚した場合、「処分が下った」と聞くと、もう営業続行が難しくなった、というイメージをお持ちになる方もいると思いますが、実態はそうではありません。不正の発覚により行政処分を受けた業者であっても、営業停止をまったく行わず事業を続けているケースは多々あります。
営業再開が可能な理由
不法投棄や暴力団との関係で処分が下ることが多いのは、廃棄物処理法違反を根拠とするものです。廃棄物処理法は、産業廃棄物収集運搬業許可や産業廃棄物処分業許可に関する取り決めを行っており、不法投棄などを行うと許可が剥奪されます。しかし、これらの許可は解体工事に必須の許可(下請けとして収集運搬業や処分業を行うのには必須)ではありません。廃棄物関係の許可を剥奪されても、解体工事を行うのに必要な建設業許可や解体工事業登録が剥奪されることは希であることが、継続して営業可能な理由です。
営業再開をした実例
処分を受けても営業を続けている会社の事例を紹介します。
優良そうなホームページ
不法投棄により廃棄物収集運搬業許可を取り消されたA社。下請け中心の仕事であったため、営業はできたものの大きな痛手が予想される。そこでコンサルタントに相談後、作り込まれたホームページを展開。優良そうなイメージを武器にホームページが上手く機能し、前年と変わらない売り上げを実現した。
偽りの許可証
不法投棄により廃棄物収集運搬業許可を取り消されたB社。解体中心のため、事業への影響はあまり受けなかったが、廃棄物収集運搬業許可というステータスを失いたくなかったので、ホームページの記載はそのまま残した。第三者が役所に通報しても特に指導はなく今日に至る。
偽装解散で即復活
解体だけではなく処分場も営むという、廃棄物許可の営業許可を受けやすかった業態のC社。不法投棄により許可が剥奪された後、5年間は再取得ができないため、困ったところある手段を発案する。一度、会社を倒産させ経営陣をすべて入れ替えて、同じ場所で新設の登録を出したところ、問題なく新しい許可がおり3カ月後には通常どおりの営業を開始できた。
営業再開が難しいケース
なお、不法投棄の度合いが大きく、刑事処罰による罰金や民事訴訟による賠償金が多大であったり、経営陣が全員逮捕され組織運営ができない場合などは、営業再開が困難になることもあります。しかし、これらのケースはどちらかというと希です。現行の制度では多くの業者が簡単に営業再開ができてしまっているため、施主自らがリスクを認識し、しっかりと業者選びをすることが大切です。