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アパート経営の「サブリース」について

アパート経営の「サブリース」について

サブリースとは

アパート経営に関連して「サブリース」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。不動産が問題となるニュースでも耳にすることがあるので、あまりいいイメージを持っていない方もいるかもしれません。

アパート経営は、ご存じの通り建物所有者である大家さんがアパートの部屋を貸し、家賃収入を得ることが基本です。
サブリースは、大家さんが部屋を貸す際、直接部屋を使用する人に貸すのではなく、いったん不動産会社などに貸し[この大家さんと不動産会社などとの賃貸借(契約)を“マスターリース”といいます]、その不動産会社などが転貸(又貸し)することで実際に部屋を使用する人に貸す(この不動産会社などと実際に部屋を使用する人との転貸借(契約)を“サブリース”といいます)形式を一般的に「サブリース(契約)」と呼んでいます。
サブリースは、「借り上げ(契約)」や「転貸(契約)」ともいわれますが、内容は同じです。

サブリースで聞くさまざまなトラブル

サブリースは、大手不動産会社の不祥事などでも話題になり、たびたびメディアで取り上げられています。サブリースのトラブルにはパターンがあり、以下のようなものが代表的な例です。

  1. アパート購入時に長期のサブリース契約で購入したのに数年で安い家賃に見直され、経営の計画が狂った。
  2. 入居者からは家賃が支払われているのに不動産会社などが大家さんに家賃を払わない。
  3. 不動産会社などが倒産してサブリース契約がなくなり、賃貸の募集をしても入居者が入らず、経営が苦しくなった。

サブリースする不動産会社などは、契約期間中毎月家賃を大家さんに支払いますが、入居者が入らないと家賃を支払うだけになり収支がマイナスになるリスクがあります。このリスクがトラブルの根本的な原因で、リスクが高まると上記のようなトラブルが発生しやすくなります。

サブリースは怖いもの?

このようなトラブルを挙げるとサブリースは非常に怖いもののように映りますが、実際にはたくさんのアパートでサブリースが利用されており、しっかりと経営が成り立っているケースのほうが多いです。

サブリースのトラブルを防ぐには、以下のようなチェックすべきポイントがあり、この点を見極めることができれば、ある程度トラブルを回避することができます。

①サブリースする不動産会社などの経験、規模、経営状態などを確認する

サブリースは借り上げた不動産会社などがマイナスになるリスクがありますが、万一の場合でも、そうしたリスクに耐えられる事業者かどうかを確認することが重要です。

②サブリースを利用しない場合でも入居者がきちんと入るアパートか調べる

万一、サブリース契約が切れた場合でも入居者が入るアパートか、計画の段階で立地や建物の仕様などを踏まえて周辺の賃貸市場(競合物件や家賃相場など)について調べることも重要です。

③サブリースを利用しない場合でも経営が成り立つ家賃相場か確認する

サブリースで提案された家賃が周辺相場と比べて高くないか、もし、高い場合は相場の家賃でもアパートの経営が成り立つか確認することがポイントです。

④サブリース契約の内容を隅々まで確認する

当たり前ですが、サブリース契約(実際はマスターリース契約)の条文を隅々まで確認することが重要です。特に“家賃の見直し”“更新条件”“違約条項”といった点は必ずチェックし、わからない点や不利と思われる点は相手に確認するようにすべきです。できれば、第三者の専門家に見てもらいおかしい点はないか確認してもらうと安心です。

メリットも多いサブリース

サブリースは、その仕組みから大家さんから借りる不動産会社などと大家さんの双方にメリットがあります。
まず、不動産会社などのメリットは、大家さんからは相場より安い家賃で借り、実際に部屋を使用する人からは相場並みの家賃を受け取ることでその差額を得ることができます。また、実際に不動産を所有していないため、固定資産税などの税金や修繕といったコストは大家さんの負担となり、不動産会社などはその負担がないのもメリットといえます。

一方、大家さんのメリットは、入居者が入っていない場合でも家賃が毎月入ってくることです。入居者が入らず家賃収入がなかった場合のリスクを不動産会社などが負うため、大家さんに支払われる家賃は相場より若干安くなりますが、収入が安定するというのは大きなメリットです。また、入居者が入れ替わる度に大家として判断する、修繕、募集条件、入居時の審査、契約なども意外と大変なのですが、その手間がなくなるというのもメリットといえます。さらに、修繕の負担について借りている不動産会社などが一定程度負担してくれるような契約であれば、修繕費の負担も軽くなるというメリットも出てきます。

サブリースを正しく理解して上手に付き合いましょう

信頼できる不動産会社などとサブリース契約できれば、安定したアパート経営が可能です。そのためにもサブリースの仕組みやリスクを理解し、確認すべき点をきちんとチェックする必要があります。サブリースは大家さんにとってもメリットが多い仕組みですから、上手に活用してアパートの安定経営に繋げられるようにしましょう。

この記事を書いた人

秋津 智幸

秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント(不動産コンサルタント) 横浜国立大学卒業。公認不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・ファイナン シャルプランナー(AFP)。自宅購入、不動産投資、賃貸住宅等不動産全般に関する相談 ・コンサルティングを行う他、企業研修や各種セミナー講師、書籍、コラム等の執筆・監 修にも取り組む。著書:「賃貸生活A to Z」(アスペクト)、「〔2019~2020年版〕30年後 に絶対後悔しない中古マンションの選び方」(監修)(河出書房新社)他。

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