解体工事見積もりの見方
くらそうねのご利用ありがとうございます。 わたしはお客様窓口を担当しているスタッフの中畑と申します。
はじめての解体工事、分からないことだらけで不安も大きいですよね。
- 「ちょっとでも安くしたいんだけれど、何に気を付ければよいのだろう」
- 「声をかけた工事会社から見積りが出てきたけど、適正金額が分からない」
- 「どこの工事会社でも同じように感じるけれど、相見積りは必要なんだろうか」
など、様々なお悩みがあると思います。
実際に、多くの方がそういった悩みを抱えながら見積金額の検討を進めていますが、事前に解消できるならそれにこしたことはありません。
そこでこのページでは、わたしがあなたに代わって、くらそうねの責任者杉本に色々な質問をしながら、
はじめての方に分かりやすく解体費用の質問をしていきたいと思います!
1.解体費用は複数の項目の足し算で見積られる
知りたいことは沢山ありますが、まずは解体費用の出し方について聞いていきましょう!
1-1.様々な費用の積み重ねで費用が決まる
杉本さん、今日は解体費用について色々と教えてください。
解体費用と言ってもイメージが浮かばない方が多いと思うので、まずは実際の見積書を見せていただけますか?
いいですよ。
それでは、まずスタンダードな書式の見積書を見ていただきましょうか。
こちらです。
見積書A
●●様 木造住宅解体
金額1,339,000円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
木造二階建 | 135.00 | ㎡ | 7,000 | 945,000 | |
足場養生費 | 200.00 | ㎡ | 800 | 160,000 | |
内部荷物処分費 | 8.00 | ㎥ | 8,000 | 64,000 | |
リサイクル家電 冷蔵庫 洗濯機 |
2.00 | 台 | 5,000 | 10,000 | |
重機回送費 | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
届出費 | 1.00 | 式 | 50,000 | 50,000 | |
諸経費 | 1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
総合計金額:1,339,000円(税抜) |
備考
※内部廃棄物大量の場合別途請求いたします。 ※リサイクル家電 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 一台につき5,000円請求いたします。 ※散水用水道料金は御施主様にてご負担お願いします。 ※地下埋設物又は屋根等の二重貼りなど目視確認出来ない物があった場合協議別途とします。
あれ?
何か色々と項目が書かれていますね。
「一式◇◇円」というのを予想していたのですが、ちょっと意外です。
そうなんです。
解体工事といっても、ただ壊すだけの工事ではありません。
近隣への影響を抑えるために解体前に建物をシートで囲ったり、ゴミを分別してリサイクルしたり、色々な作業が行われます。
そのため、様々な費用が必要になってくるんですね。
「一式◇◇円」という表記をする工事会社もありますが、現在ではこのように細かく書かれた見積書が増えています。
へぇ〜、機械でグシャッと壊して捨てるだけだと思っていたのですが、複雑なんですね。
それじゃあ、ここに書いてある項目の意味を教えてください。
1-2.見積項目の意味を1つずつ解説
もちろんいいですよ。
見積項目の意味は、こんな感じでしょうか。
なるほど〜。
説明してもらって、少しずつ理解ができてきました。
一言で解体費用と言っても、色々なお金がかかるんですね。
1-3.建物取壊費用・廃棄物処理費用・付帯工事費用・諸費用の4分類
そうですね。
解体工事会社によっても記載方法が違うので混乱しやすいのですが、「大まかに4つの費用に分類される」と覚えていただくと、分かり易いと思います。
4つというと?
はい。
建物取壊費用・廃棄物処理費用・付帯工事費用・諸費用の4つです。
建物取壊費用
建物を取り壊す費用。
重機での解体が一般的だが、手作業による解体がある場合には、「木造手解体◇◇平米」というように別途表記されることがある。
建物が複数ある場合には、「鉄骨造◇◇平米、鉄筋コンクリート造◇◇平米」というように複数計上される。
廃棄物処理費用
解体時に発生する廃棄物を処理施設に持ち込んで処理する費用。
木材・鉄くず・瓦・ガレキといった品目ごとに持ち込む中間処理施設も異なるため、品目ごとに表記されることもある。
付帯工事費用
建物の取り壊し以外にかかる工事費用。
建物を囲う養生設置費用や、庭石・庭木・ブロック塀・浄化槽といったものを撤去する費用が計上される。
諸費用
上記以外の費用。
役所への届出費用や、重機回送費、工事中車両を止めるための借地料、諸経費など様々。
壊すための費用、捨てるための費用、その他の工事の費用、諸費用、ということですね。
はい、その4つです。
先ほどの見積項目を4つの費用に分類すると次のようになります。
見積書A
●●様 木造住宅解体
金額1,339,000円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
木造二階建 |
135.00 | ㎡ | 7,000 | 945,000 | |
足場養生費 |
200.00 | ㎡ | 800 | 160,000 | |
内部荷物処分費 |
8.00 | ㎥ | 8,000 | 64,000 | |
リサイクル家電 冷蔵庫 洗濯機 |
2.00 | 台 | 5,000 | 10,000 | |
重機回送費 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
届出費 |
1.00 | 式 | 50,000 | 50,000 | |
諸経費 |
1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
総合計金額:1,339,000円(税抜) |
備考
※内部廃棄物大量の場合別途請求いたします。 ※リサイクル家電 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 一台につき5,000円請求いたします。 ※散水用水道料金は御施主様にてご負担お願いします。 ※地下埋設物又は屋根等の二重貼りなど目視確認出来ない物があった場合協議別途とします。
おお〜!
これなら分かり易いです。
良かったです。
では続いて、解体費用の注意点について解説していきますね。
2.同じ大きさの建物でも、付帯物や環境によって費用は大きく異なる
解体費用の注意点について解説してくれる杉本さん。
同じ大きさの建物でも金額が大きく変わることがあるんだとか。
どういうことなのでしょうか?
2-1.平均金額を知っても自分の建物の解体費用は分からない
お客様とお話をしていると「平均価格はいくらですか?」という質問を頂くことが多いのですが、解体費用の平均ってどのようにすれば分かるんでしょうか?
これは多くの方が気にされる質問ですね。
過去5,000件以上の見積りデータを掲載した解体工事相場チェックを見ていただければ、地域や構造別の平均値を知っていただくことはできます。
でも、ここで大切な注意点なのですが、解体費用の平均を知っても全く意味がありません。
えっ!?
そうなんですか?
先ほど、解体費用がどのようにして計算されるかをお話ししましたが、4つの費用は覚えていますか?
はい。
建物取壊費用・廃棄物処理費用・付帯工事費用・諸費用でしたよね。
そうです。
仮に同じ大きさの建物があったとしても、これらの費用が大きく変わってしまうのは珍しくありません。
ちょうど良い事例があるので見てみましょう。
2-2.倍の金額差が出た2つの見積書
見積書A
●●様 木造住宅解体
金額1,339,000円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
木造二階建 | 135.00 | ㎡ | 7,000 | 945,000 | |
足場養生費 | 200.00 | ㎡ | 800 | 160,000 | |
内部荷物処分費 | 8.00 | ㎥ | 8,000 | 64,000 | |
リサイクル家電 冷蔵庫 洗濯機 |
2.00 | 台 | 5,000 | 10,000 | |
重機回送費 | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
届出費 | 1.00 | 式 | 50,000 | 50,000 | |
諸経費 | 1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
総合計金額:1,339,000円(税抜) |
備考
※内部廃棄物大量の場合別途請求いたします。 ※リサイクル家電 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 一台につき5,000円請求いたします。 ※散水用水道料金は御施主様にてご負担お願いします。 ※地下埋設物又は屋根等の二重貼りなど目視確認出来ない物があった場合協議別途とします。
見積書B
▲▲様 軽量鉄骨造解体
金額2,053,200円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
軽量鉄骨造二階建 | 135.00 | ㎡ | 8,000 | 1,080,000 | |
木造連結部切り離し 簡易雨養生 | 1.00 | 式 | 100,000 | 100,000 | |
鉄骨造洗濯場 | 17.00 | ㎡ | 6,000 | 102,000 | |
鉄骨通路 | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
洗濯場下 物置 | 15.00 | ㎡ | 4,000 | 60,000 | |
付帯スレート倉庫 | 13.00 | ㎡ | 4,000 | 52,000 | |
浄化槽 | 1.00 | 式 | 20,000 | 20,000 | |
植栽 | 6.00 | ㎥ | 8,000 | 48,000 | |
庭石 | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
ブロック塀 一部ブロック擁壁共 | 40.00 | ㎡ | 3,000 | 120,000 | |
コンクリート土間 駐車場他 | 86.00 | ㎡ | 1,200 | 103,200 | |
土留コンクリート | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
足場養生 | 210.00 | ㎡ | 800 | 168,000 | |
重機回送費 | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
諸経費 | 1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
総合計金額:2,053,200円(税抜) |
備考
※内部廃棄物大量の場合別途請求いたします。 ※リサイクル家電 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 一台につき5,000円請求いたします。 ※散水用水道料金は御施主様にてご負担お願いします。 ※地下埋設物又は屋根等の二重貼りなど目視確認出来ない物があった場合協議別途とします。
あれっ?
金額が全然違う。
そうです。
2倍近くもの金額差が出ていますが、大きさは同じ135平米、見積金額を作ったのも同じ解体工事会社です。
どうしてこんなに差が出てしまうのですか?
良い質問ですね。
それでは、項目を分類しながら比較していきましょうか。
2-3.金額差の理由は構造・付帯物・環境
見積書A
●●様 木造住宅解体
金額1,339,000円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
木造二階建 |
135.00 | ㎡ | 7,000 | 945,000 | |
足場養生費 |
200.00 | ㎡ | 800 | 160,000 | |
内部荷物処分費 |
8.00 | ㎥ | 8,000 | 64,000 | |
リサイクル家電 冷蔵庫 洗濯機 |
2.00 | 台 | 5,000 | 10,000 | |
重機回送費 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
届出費 |
1.00 | 式 | 50,000 | 50,000 | |
諸経費 |
1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
総合計金額:1,339,000円(税抜) |
備考
※内部廃棄物大量の場合別途請求いたします。 ※リサイクル家電 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 一台につき5,000円請求いたします。 ※散水用水道料金は御施主様にてご負担お願いします。 ※地下埋設物又は屋根等の二重貼りなど目視確認出来ない物があった場合協議別途とします。
見積書B
▲▲様 軽量鉄骨造解体
金額2,053,200円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
軽量鉄骨造二階建 |
135.00 | ㎡ | 8,000 | 1,080,000 | |
木造連結部切り離し 簡易雨養生 |
1.00 | 式 | 100,000 | 100,000 | |
鉄骨造洗濯場 |
17.00 | ㎡ | 6,000 | 102,000 | |
鉄骨通路 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
洗濯場下 物置 |
15.00 | ㎡ | 4,000 | 60,000 | |
付帯スレート倉庫 |
13.00 | ㎡ | 4,000 | 52,000 | |
浄化槽 |
1.00 | 式 | 20,000 | 20,000 | |
植栽 |
6.00 | ㎥ | 8,000 | 48,000 | |
庭石 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
ブロック塀 一部ブロック擁壁共 |
40.00 | ㎡ | 3,000 | 120,000 | |
コンクリート土間 駐車場他 |
86.00 | ㎡ | 1,200 | 103,200 | |
土留コンクリート |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
足場養生 |
210.00 | ㎡ | 800 | 168,000 | |
重機回送費 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
諸経費 |
1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
総合計金額:2,053,200円(税抜) |
備考
※内部廃棄物大量の場合別途請求いたします。 ※リサイクル家電 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 一台につき5,000円請求いたします。 ※散水用水道料金は御施主様にてご負担お願いします。 ※地下埋設物又は屋根等の二重貼りなど目視確認出来ない物があった場合協議別途とします。
建物取壊費用
Aは木造なのに対して、Bは鉄骨造なので割高。
Bは解体する建物が別の木造家屋と繋がっているため、手作業の切り離し工事が必要。
廃棄物処理費用
Bは屋根瓦にアスベストを含んでいるため、処分費用が割り増しされている。
付帯工事費用
Bは浄化槽・植栽・庭石・ブロック塀・土間といった付帯物の撤去が多い。
Bは住宅密集地の工事なので、影響を抑えるために養生面積が広い。
諸費用
Bは前面道路が通学路になっているため、ガードマンの配置が必要。 Bは当初トラックを敷地内に駐車できないため、前面道路の使用許可申請が必要。
Aに比べると、手作業での解体が必要な部分がありますし、建物以外に壊さないといけない物も多いですね。
住宅密集地ということで様々な配慮が必要になっていますし、アスベストが含まれていることによるコストアップも大きいです。
こうやって比較をすると、金額差が出るのも頷けます。
平均値を知っておけば大丈夫だろうと思っていましたが、そんな単純な話ではなかったです。
同じ大きさの建物でも、物件ごとに金額は大きく変わるんですね。
そうですね。
建物個別の事情による影響が大きいので、一概に相場をお伝えするのが難しいのが解体費用なんです。
今度は同じ建物でも、工事会社が変わると金額が変わる例をお話ししましょうか?
はい。
是非お願いします!
3.施工方法や得意不得意の違いによって、工事会社間の金額差が生じる
「同じ物件でも解体工事会社によって金額差が生じる」と話す杉本さん。 工事会社なんてどこでも同じと思っていましたが、実際には違うようです・・・。
3-1.3割程度の金額差は珍しくない
あくまでも一般的なお話ですが、相見積りを取ると工事会社間で3割程度の金額差が生じるのは珍しくありません。
仮に100万円の工事だとすると、3割は30万円。
結構な金額差ですね。
実例を見てみましょう。
見積書B
▲▲様 軽量鉄骨造解体
金額2,053,200円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
軽量鉄骨造二階建 |
135.00 | ㎡ | 8,000 | 1,080,000 | |
木造連結部切り離し 簡易雨養生 |
1.00 | 式 | 100,000 | 100,000 | |
鉄骨造洗濯場 |
17.00 | ㎡ | 6,000 | 102,000 | |
鉄骨通路 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
洗濯場下 物置 |
15.00 | ㎡ | 4,000 | 60,000 | |
付帯スレート倉庫 |
13.00 | ㎡ | 4,000 | 52,000 | |
浄化槽 |
1.00 | 式 | 20,000 | 20,000 | |
植栽 |
6.00 | ㎥ | 8,000 | 48,000 | |
庭石 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
ブロック塀 一部ブロック擁壁共 |
40.00 | ㎡ | 3,000 | 120,000 | |
コンクリート土間 駐車場他 |
86.00 | ㎡ | 1,200 | 103,200 | |
土留コンクリート |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
足場養生 |
210.00 | ㎡ | 800 | 168,000 | |
重機回送費 |
1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
諸経費 |
1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
総合計金額:2,053,200円(税抜) |
備考
※内部廃棄物大量の場合別途請求いたします。 ※リサイクル家電 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 一台につき5,000円請求いたします。 ※散水用水道料金は御施主様にてご負担お願いします。 ※地下埋設物又は屋根等の二重貼りなど目視確認出来ない物があった場合協議別途とします。
見積書C
▲▲様 軽量鉄骨造解体
金額1,599,058円(税抜)
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
仮設工事 | |||||
足場養生・防災シート張り |
155.00 | ㎡ | 830 | 128,650 | |
解体工事 | |||||
軽量鉄骨造二階建て住居 |
126.90 | ㎡ | 6,400 | 812,160 | |
鉄骨造ベランダ(下物置) |
1.00 | 式 | 120,000 | 120,000 | |
ブロック塀撤去 |
27.36 | ㎡ | 3,800 | 103,968 | |
コンクリート土間 |
47.52 | ㎡ | 1,500 | 71,280 | |
植木(抜根共) |
1.00 | 式 | 32,000 | 32,000 | |
建屋切取り・補修 |
1.00 | 式 | 80,000 | 80,000 | |
アスベスト含有物運搬処分 |
6.00 | ㎥ | 18,000 | 108,000 | |
浄化槽撤去 |
1.00 | 式 | 21,000 | 21,000 | |
重機回送費 |
1.00 | 式 | 36,000 | 36,000 | |
諸官庁届け出等 |
1.00 | 式 | 62,000 | 62,000 | |
諸経費 |
1.00 | 式 | 24,000 | 24,000 | |
総合計金額:1,599,058円(税抜) |
備考
※内部不要物、生活残存物等多数の場合処分費は別途申し受けます。
あ、本当だ。
この例では3割ですが、特殊なケースでは、金額差が2倍以上になることもあります。
2倍ですか!?
そんな金額差を見たら、どちらかの見積金額が間違いではないかと疑ってしまいます。
でも、どうしてそんなに差が開くのですか?
3-2.金額差の理由は施工方法・処理場・保有重機・利益率など
金額差が生じる理由は、解体工事会社ごとに施工方法・処理場・保有重機・利益率など、様々な条件が異なるからなんです。
施工方法
解体工事の作業手順や、重機と手作業のどちらで解体を行うのかという方法が、工事会社によって異なることがある。
効率的な施工方法を計画できれば作業日数が少なるため、人件費や重機の燃料代を抑えることができるので、コストダウンにつながる。
住宅密集地など難しい工事の場合には、施工方向の違いによって大きな金額差が生じる。
様々な解体現場を経験している担当者がいる場合には、効率的な施工方法が選択されやすい。
廃棄物処理場
解体現場から生じる廃棄物は、品目ごとに分別されて各々の処理施設に持ち込まれるが、受け入れ単価は処理施設によって異なる。
受け入れ単価の安い施設に持ち込むほど、廃棄物処理費用を安く抑えることができるので、コストダウンにつながる。
情報収集が得意な解体工事会社は、「今どこの処理施設が安いか」を知っているので、割安に工事を行うことができる。
また、処理施設と年間契約を結ぶことで、受け入れ費用を値引きしてもらっている解体工事会社や、自社で処理施設を運用している解体工事会社も存在する。
保有重機
解体する建物の大きさや構造、近隣の環境によって、最適な重機の仕様は異なる。
その建物を効率的に壊せる重機を持っている工事会社のほうが工期を短くできるため、コストダウンにつながる。
重機を持っていない場合にはリース会社からレンタルする方法もあるが、比較的高くつきやすい。
戸建住宅とビルでは解体に使う重機が大きく異なるため、住宅が得意な解体工事会社とビルが得意な解体工事会社に分かれることが多い。
保有車両
重機と同様に、解体廃材を搬出するためのトラックも効率的な工事を行うための要素の一つ。
工事期間中は、トラックが解体現場と廃棄物処理施設の間を往復することになるが、遠い場合には片道2時間以上かけて運搬を行うことがある。
大きなトラックであれば往復回数を減らすことが出来るので、作業スペースにゆとりのある環境では有利。
保有資材
現場で利用する足場や養生シートを持っている工事会社と持っていない工事会社が存在する。
持っていない場合には足場専門工事会社に足場を組んでもらうため、リース代と施工費がかかってしまう。
一方で、資材を持っている場合には自社で設置が可能なので、コストダウンにつながる。
利益率
解体工事会社によって、見積書に計上する利益は異なる。
利益を低めに抑えている工事会社の方が、コストダウンにつながる。
値段を決定づける要素がこんなにあるんですね。
ちょっと驚きましたが、納得しました。
3-3.現場によって優劣が逆転するのは珍しくない
更に付け加えると、現場によって工事会社の優劣が逆転することもあります。
得意不得意ということですか?
簡単に言えばそうですね。
努力や工夫を一生懸命している工事会社と全然していない工事会社では逆転することがありませんが、一生懸命な工事会社同士では現場によって結果が頻繁に変わります。
だからこそ、相見積りが大事なんですね。
そうです!
私も今まで沢山の見積りを見てきましたが、過去に競争になった工事会社同士であっても、その現場の見積りが出てくるまでは優劣の想像がつきません。
解体費用を上手にコストダウンするためには、相見積りは必須だと思います。
4.安さだけで工事会社を選ぶと、大きな失敗を招くことがある
解体費用をコストダウンするためには、相見積りが必須という杉本さん。
成功のための秘訣に近づいてきたようですが、費用にこだわりすぎると・・・。
ちょっと怖いお話も教えてもらいましょう。
4-1.「同じ工事なら1円でも安く」は間違い
相見積りが大切だと教えてもらいましたし、あとは安い工事会社を探すだけですね!
いえいえ、慌てないでください。
安さだけを追い求めると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあるんですよ。
トラブルですか?
そうです。
「同じ工事なら1円でも安くしたい」という気持ちで工事会社探しをすると、悪徳工事会社を選んでしまい、大きなトラブルに発展してしまうことがあります。
それは怖いですね・・・。
でもどうして、安さだけを追い求めると失敗してしまうんでしょうか?
4-2.安さには安さの理由がある
その理由は、施主の気づかないところで本来必要な経費を削ってしまっている可能性があるからなんです。
本来必要な経費というと?
最初の方でお話ししましたが、解体費用は建物取壊費用・廃棄物処理費用・付帯工事費用・諸費用の4つの項目に分類されます。
値段が安いということは、これらの4つの項目が安いということです。
工事会社の工夫や効率化によってコストダウンができているのであればよいのですが、なかには不当な方法で費用が削られてしまっている可能性があります。
建物取壊費用
- 工期を無理やり短く設定することで人件費を削減したものの、工事後には廃材の取り残しが沢山あった。
- 現場の人数を1人削って作業を進めたところ、周囲の安全確認が散漫になって隣家に傷をつけてしまった。
廃棄物処理費用
- 廃棄物処理施設に持ち込む量を減らすために、解体工事会社が廃材の一部を山の中に不法投棄していた。
- 建材にアスベストが含まれていたのにもかかわらず、その事実を隠して処理施設で廃材処分をしていた。
付帯工事費用
- 住宅地だったのにもかかわらずの養生をしなかったため、工事中周囲がほこりまみれになってしまった。
- 浄化槽の撤去を依頼していたのにもかかわらず、新築着工時に撤去されていないことが分かった。
諸費用
- 役所への届け出を怠っていたことが後になって判明し、工事が中断することになった。
これって反則じゃないですか!
こんなことがまかり通るんですか?
当然あってはならないことですが、実際には起きてしまっているのが現実です。
これらの不正は、全て工事が始まってから分かることなので、解体工事会社を選定する際には施主が見抜けないことが多いんですね。
何だかやるせない気分です。
4-3.近隣トラブル・不法投棄・工事放棄など様々なリスク
解体工事会社が不正を行うと、施主にも沢山の迷惑が掛かります。
近隣クレーム
工事の際の傷・騒音・埃など、近隣クレームにつながることは少なくありません。
不正を行う工事会社は「受注さえできれば良い」という低いモラルで行動しているため、クレームに対しても誠意ある対応は望めず、施主が尻拭いに追われてしまいます。
法律違反
廃棄物処理法・建設リサイクル法・騒音振動規制法といった解体工事にかかわる法律違反もトラブルの1つです。
発注者責任が問われることもありますし、責任は問われなくても行政や警察への対応が必要になるケースがあります。
工期の遅延
工期が遅れることによって、新築工事を控えているハウスメーカーに迷惑がかかることがあります。
ハウスメーカーとの契約条件には、工事遅延時の違約金がうたわれていることもあるため注意が必要です。
追加費用
実現不可能な金額で受注を行ってから追加費用を請求する悪徳工事会社も存在します。
「費用をいただけないと工事できない」という言いがかりをつけてこられた結果、要求に応じざるを得ないケースがあります。
音信不通
費用を支払った途端に解体工事会社が音信不通になることもあります。
行方がつかめない場合には、別工事会社を自分で探し、新たに費用を支払って工事を進めてもらう必要性が生じます。
実際にこんなトラブルが起きたとしたら、凄く辛いですね。
そうですね。
精神的にも辛いですし、安い買い物をしたつもりなのに費用や労力も余分にかかってしまうことが多いです。
4-4.不正や疑わしい点が無いかをしっかりと確認することが大切
こんなトラブルに巻き込まれないためには、どうしたら良いのでしょうか?
まずは、解体工事はトラブルと隣り合わせの工事であると認識すること。
その上で、提案を受けた工事会社の金額や会社についてしっかりと確認をすることが大切です。
一例をあげるとこんなところでしょうか。
必要な許可を保持しているか
解体工事の際には、特定の許可が必要になります。
税込請負金額500万円未満の工事であれば、建設業許可(特定の業種)もしくは解体工事業登録が必要となりますし、500万円以上であれば建設業許可(特定の業種)が必要です。
まずは、許可を保持していることが大前提と言えます。
工事保険へ加入しているか
工事中の事故に備えた工事賠償責任保険に加入し、万が一の事故発生時にはお客様や近隣住民に対して十分な責任が果たせるように備えていることも大切です。
保険に加入していれば、不測の事態にも誠意ある対応が期待できます。
過去に違反をしていないか
過去に不法投棄などの法令違反をしていないかという確認です。
解体工事にかかわる法律は、建設リサイクル法や廃棄物処理法など多岐にわたりますが、それらすべてを順守する必要があります。
過去の違反情報を照会して違反の無い工事会社を選ぶことも、モラルの高い工事を実現するためには大切です。
値段は工事内容に対して妥当か
工事内容と金額を照らし合わせた時に、妥当な内容かどうかの検証です。
解体費用には費用が発生する理由があります。
工事の手順と各々の費用の妥当性を確認することで、不適切なコストダウンが行われていないかを確認することができます。
契約書の内容は妥当か
工事請負契約書の内容は妥当かどうかの確認です。
口約束で工事を進めると、スケジュール・金額・工事範囲といった部分において認識の食い違いが発生し、「言った」「言わない」のトラブルにつながる可能性が高まります。
契約書を締結するのは当たり前ですが、トラブルを抑制するために必要な内容を契約書に盛り込むことも大切です。
業界内でトラブルは珍しいことではありませんが、よほど大きな事件にならない限り報道されることはありません。
「違反はテレビの中の話であって、自分は大丈夫だろう」という油断は大敵ですね。
工事会社選びのリスクを理解した上で、慎重に検討を進めることが大切なんですね。
はい。
後悔することの無いように、じっくりと工事会社選びを行ってください。
わかりました!
今日は、見積書の見方から費用の差が出る理由、見積りを取る際の注意点など、いろいろと教えていただきとてもスッキリしました。
お陰で解体費用について理解が進んだと思います。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
まとめ
- 解体費用は建物取壊費用・廃棄物処理費用・付帯工事費用・諸費用の合計で決まる。
- 現場によって費用は大きく異なるので、相場や平均はあてにならない。
- 工事会社間によって3割程度の金額差は珍しくないので、相見積りは重要である。
- 安さだけで工事会社を選ぶと、近隣トラブルや追加費用など大きな失敗を招くことがある。
- 工事会社選びのリスクを理解した上で、慎重に検討を進めることが大切である。
5.おわりに
解体費用に関して、出来るだけ丁寧にお話しをさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
解体工事を安全に進めるためには、正しい理解と努力が欠かせません。
しかし、多くの方にとって見慣れない言葉や概念があり、全てを理解するためには沢山の時間が必要です。
くらそうねでは、工事を初めて経験する方でもストレスなく、満足に工事を終えられるように「一括見積もりサービス」を提供しています。
複数社の工事予想金額がすぐにわかる事や、セカンドオピニオンなど工事完了まで続く手厚いサポートを、無料で受けることが可能です。
もしご自身での工事会社探しに限界を感じていらっしゃるようであれば、是非お気軽にご相談ください。
満足に解体工事を終えていただくため、社員一同精一杯お手伝いさせていただきます。
\ 見積もり後のお断りも大丈夫 /
木造二階建て135.00平米
延床面積135平米(約40坪)の建物を解体して、廃材をトラックに積み込み、廃棄物処理施設で処理する費用。 延床面積とは建物の1階床面積、2階床面積、、、といった全ての床面積を足した大きさ。
足場養生費200.00平米
工事中に木材の破片や埃が飛散しないように、建物の周りを足場と養生シートで囲う費用。 高さ5mの足場を周囲40mに渡って組んだ場合は、5m x 40m = 200平米 となる。
内部荷物処分費8.00立米
建物の中に残された家財を撤去してトラックに積み込み、廃棄物処理施設で処理する費用。 4.5畳(8.2平米)の部屋に高さ1mまで積み重なった家財だと、8.2平米 x 1m = 8.2立米となる。
リサイクル家電 冷蔵庫 洗濯機 2台
家電リサイクル法に定められた家電製品を処分する費用。 テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの家電4品目は、それ以外の家財と別に計上されることが多い。
重機回送費
建物を壊すために使う重機を、ダンプやトレーラーといった車両で運搬する費用。 重機は公道を走れないため、回送用の車両が必要となる。
届出費
工事の前に役所に届出を出すための人件費。 延床面積80平米以上の建物は、着工前に建設リサイクル法で定められた届出が必要。 工事を行う場所によっては、道路使用許可の申請や、各地の条例に沿った申請も必要となる。
諸経費
その他の経費。 内容は定かではないが、近隣挨拶の人件費や、工事会社が不測の事態に備える予備費が含まれていることがある。
散水用水道料金はお施主様にてご負担お願いします。
工事中の埃を防ぐための散水時に使用する水道料金。 敷地内の水栓を使うため、水道料金は施主が払う場合が多い。
地下埋設物又は屋根の二重貼りなど目視確認できないものがあった場合協議別途とします。
追加費用の対象となる項目。 現地確認時に目視できない項目については解体工事会社も費用を確約することが出来ないため、このように記載される。 今の建物が建つ前の敷地利用状況や、リフォームの履歴は、施主から解体工事会社に開示をしたほうが良い。