解体工事の粗利について考えてみよう
工事の粗利に目を向ける
解体工事の会社を運営していくにあたって、利益を確保し続けることは大切です。今回は、その第一歩である「粗利」について触れていきたいと思います。
粗利とは何か
粗利と聞いてもピンと来ない方もいらっしゃると思いますので、まずは粗利とは何かについてお話しします。会計用語では売上総粗利といいますが、要は「1件の工事でいくら儲かったのか」という数値です。粗利が多ければ会社にとって良い工事といえますし、粗利が低ければメリットの少ない工事といえます。また、粗利がマイナスになってしまう場合には、引き受けなければよかった工事といえます。
粗利の計算方法
粗利は「(お客様から頂いたお金)—(工事に掛かった経費)」で計算することができます。
お客様から頂いたお金
粗利は「(お客様から頂いたお金)—(工事に掛かった経費)」で計算することができます。
お客様から頂いたお金
その工事についてお客様から頂いたお金の総額です。支払いが分かれている場合には、着手金、中間金、最終金を合計します。
工事に掛かった経費
その工事について発生した経費の総額です。人件費、廃材処分費、燃料費、重機リース代、重機損料、申請費用、足場リース代を合計します。小規模の会社の場合には、社長さんも現場に出ることがあると思いますが、社長さんやご家族の方も忘れずに計上することが大切です。(社長さんなどの人件費を抜いてしまうと、自分が無償で働かないと赤字になる工事を引き受けてしまうかもしれません)
適正な粗利率の目安
適正な利益が確保できているかどうかの指標として「粗利率」があります。粗利率は「粗利÷工事額×100」で計算することができます。複数の解体工事会社さんにヒアリングをすると、粗利率が10%前後という業者さんが多いように思われます。利益を残しながら会社を拡大していくためには、ある程度の粗利率を残していくことが大切です。理想としては粗利率20%を目標にしていただくとよいでしょう。
粗利を意識することが大切
粗利確保の第一歩はまず粗利を意識することです。今までどんぶり勘定で粗利を気にしてこなかった方も、工事ごとに粗利を確認することで利益管理を行っていきましょう。