家の解体料金をきめる要因

家の解体料金

【建物解体費用の坪単価（地域別相場）】で大体の相場をつかんでいただけたと思いますが、家の解体工事の費用は実際にはそんなにシンプルではありません。

というのは、同じような建物であっても、工事の条件などによって家屋の解体料金は大きく変わってしまうからです。

このトピックでは、解体の料金を決める要因を様々な角度から見てみたいと思います。

建物によるもの

○坪数
大きい建物の方が高くつくのは想像いただけると思いますが、建物の大きさによって割高・割安という違いが出てきます。大きい建物であろうと小さい建物であろうと、重機の運搬や申請の手間などはかかりませんから、解体費用は小さい建物の方が割高、大きい建物の方が割安となります。

○構造
木造、S造（軽量鉄骨造・重量鉄骨造）、RC造（鉄筋コンクリート造）という違いによっても解体費用の差が出ます。一般に木造よりも鉄骨造、鉄骨造よりもRC造の方が、解体自体が大変で処分費もかかるため、解体料金としては高くつきがちです。（鉄骨は有価物として買い取ってもらうことで、安くつくケースもあります）

○アスベストの有無
建物にアスベストが含まれた場合、大掛かりな養生や、手作業による解体が必要となることがあります。屋根瓦やサイディングに含まれる固形アスベストであれば費用の割り増しは少ないですが、飛散性の吹き付けアスベストであった場合は、撤去費用が非常に高額になることがあります。

○植木・庭石等の量
敷地内に植木・庭石・カーポート・ブロック塀といった外構工作物があった場合、撤去・処分に余分な手間がかかりますので、その分費用が上乗せされます。

○建物内残存物
タンス、ソファといった家具類や食器などは一般廃棄物として建物とは別に処分しなくてはなりません。建物内残留物の撤去を依頼した場合はその分割高になります。

○地中障害物
地中より岩石、コンクリートガラといった埋設物が見つかった場合は、その処分に余分な費用がかかります。（事前に分かるケースはほとんどありません。）

周囲の環境によるもの

○道路幅
道路幅が狭かった場合、大型の重機やトラックが乗り入れできないこともあります。そんなときは小さいトラックで何往復もしたり、手作業による解体が必要となり、費用が割高になることがあります。

○作業スペースの大きさ
敷地目いっぱいに建物が建っていて庭が無い場合などは、重機・トラックを路上に置いて作業をすることになります。路上を使用する場合は、役所や警察署に使用許可を取ると共に、ガードマンを配置することになりますので、その分の費用が割り増しされます。

○交通量
交通量が多く、通行人や車などに危険が及ぶ場合は、敷地内で作業ができる場合でもガードマンを配置することもあります。

○学校の有無
近くに学校があり、通学路として設定されている場合は、敷地内で作業ができる場合でもガードマンを配置することもあります。

○建物密集度
建物が密集していると、近隣対策として養生が厳重になったり、手解体を必要とすることもあります。その場合は解体費用がかさみます。

解体工事会社によるもの

○距離
現場までの距離が遠かった場合、移動時間が余分に割かれることによって、一日の作業時間は短くなってしまいます。その分、作業日数が増えてしまうため、人件費が多くかかってしまいます。

○時期
解体工事が少ない時期は、業者も仕事を確保するために少々の値引き覚悟で受注をしようとします。逆に忙しい時期は値引きに対して少し渋くなることもあります。特に雪国では除雪を行う解体工事会社が多く、ただでさえ忙しいため、「冬場には安い仕事を請けない」という業者も存在します。

○廃棄物処理
解体現場のごみは中間処理場（廃棄物処理場）へと運ばれますが、処分費用は中間処理業者によってまちまちです。自社で処理を行っていたり、割安な業者と強いパイプがある解体工事会社は、その分解体費用を安く抑えることができます。

実際に解体費用は現場を見ないと分からない

時折、「現場を見ないで解体費用を教えてほしい」という声を聞くことがありますが、実際には上のような要因が複雑に絡み合うことから、現場を見ない状況での見積もりは難しいと言えます。

目安としては【建物解体費用の坪単価（地域別相場）】を参考にしていただき、業者を比較する際にはなるべく現場を見てもらうのが、後々金額が狂わない大切なポイントだと言えます。

ちなみに、「どうしても現場を見てほしくない」という場合は、建物の図面と、現場の写真（建物、建物周りの状況を１周分、道路状況など）、住所、を解体工事会社に渡せば、それなりに精度が高い見積りを提出してくれると思います。