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ビル・マンションの解体工費用相場

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ビル・マンションの解体費用の内訳

解体業者各社によって見積書の書式は異なりますが、解体費用の内訳は大きく9種類に分類できます。順を追って見ていきましょう。

建物本体の解体費用

住宅を取り壊す費用のことを指します。

住宅の大きさは延床面積で計上され、解体する範囲が大きければ大きいほど金額は上がります。

単価は各解体業者(解体工事会社)によって表記の違いはありますが、平米数(㎡)か坪数で金額が記載されています。単位が違うので、見比べる際は注意しましょう。また、基本は重機解体で計算されるので、手作業で行う手解体などの場合は別途または、合算して計上されます。

廃棄物処理費用

産業廃棄物の処分にかかる費用を指します。建物の解体によって出た大量の木くず・金属くずなどの廃棄物を中間処理施設で処分するためのコストで、解体費用のうち4割程度を占める項目です。

中間処理場で分別された廃棄物は、最終処分を行うための脱水や焼却、廃酸・廃アルカリなど有害な物質の中和の処理がされ、地下水や土壌に有害な物質が染み出さないように管理され埋め立て処分されます。

建物にアスベスト含有のスレート瓦やサイディングが有ったり、吹付アスベストが有ると、廃棄物処理費用は大きく跳ね上がります。

付帯工事費用

住宅の取り壊しや廃棄物処理以外で発生する工事費用の事を指します。住宅を囲う養生設置費用や、庭石・庭木・ブロック塀・浄化槽を撤去する費用が計上されます。

養生足場設置費用

木材の破片やガレキ、粉塵の飛散や騒音を軽減させるために住宅を囲う足場や養生シートを設置する費用を指します。

足場の外周と高さで面積を算出します。また、用途によって使用する養生が異なります。メッシュ養生、防音シート、防炎シートの順で費用が高くなります。

家財や不要品といった内部残置物の処分費

施主が住宅内に残している不用品の処分で発生する費用を指します。不用品は家具や家電製品、家庭ごみなどを指し、一般廃棄物に当たります。

解体工事を行うための許可と一般廃棄物を運搬するための許可は全くの別物です。解体工事会社にを保有していない事がほとんどなので、合法的に処分を行うために「法律に沿った不要品回収を行うためにどんな取り組みをされていますか?」と確認していただくと良いでしょう。自社で許可を持っているか、許可のある会社に委託しているのであれば問題ありません。

リサイクル家電の処分費

内部荷物処分費の家電製品の内、家電リサイクル法で定められた下記4品目の処分で発生する費用を指します。それぞれのリサイクル料と運搬費用で金額が異なります。

エアコン

テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)

冷蔵庫・冷凍庫

洗濯機・衣類乾燥機

諸費用

解体費用、付帯工事費用以外で発生する費用を指します。書類作成などの事務費用や、重機回送費、工事中車両を止めるための借地料、諸経費など様々です。

重機回送費用

解体工事に使用する重機を運ぶための費用のことを指します。

解体業者(解体工事会社)が運ぶ距離が遠かったり、置き場所が無く何度も往復しないといけない場合はその分費用が高くなります。

申請費用(届出費用)

解体工事に必要な届け出の書類を準備する書類作成の費用のことを指します。

主な届け出として建設リサイクル法に関する届出や道路使用許可申請、建築物除去届、アスベスト除去の届出が挙げられます。

構造別相場と坪単価(軽量鉄骨造・重量鉄骨造・RC造・HPC造・SRC造)

解体費用は、建物の構造や階層(3階建て、4階建て、5階建て等)によって大きく異なります。ここでは、構造別の解体費用相場と、マンションのスケルトン解体(内装のみの解体)の相場について見ていきましょう。

軽量鉄骨造の全解体の相場

厚さ6㎜未満の鋼材によって建てられた建物のことを指しています。ビルでは稀ですが、マンションでは軽量鉄骨が使われることがあります。

解体費用は1坪当たり25,000円〜40,000円というのが相場です。外壁材にALC板(通称ヘーベル板)が用いられている場合には、割高になります。

重量鉄骨造の全解体の相場

厚さ6㎜以上の鋼材によって建てられた建物のことを指しています。3階建て以上の住宅、マンション、工場などは重量鉄骨造であることが多いです。

軽量鉄骨に比べると頑強なため、解体費用は1坪当たり30,000円〜45,000円程度になります。外壁材にALC板が用いられている場合には、更に割高になります。

鉄筋コンクリート造(RC造)の全解体の相場

鉄筋とは太さ10-30mm程度の鋼鉄製の丸棒を指しています。鉄筋コンクリート造とは、鉄筋を中に埋め込んだコンクリート造のことで、低層マンションやビル等に用いられる構造です。

各鉄骨造と比べて更に頑強なため、解体費用は1坪当たり35,000円〜80,000円程度になります。

鉄骨プレキャストコンクリート造(HPC造)の全解体の相場

HPCとはHard PrecastConcreteの略で、鉄骨とプレキャストコンクリートを組み合わせた建築工法です。マンションやビルの工法としては一般的です。

解体費用は1坪当たり35,000円〜80,000円程度になります。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の全解体の相場

SRCとはSteeReinforced ConcreteConstructionの略で、RC造が入ってH鋼やC鋼といった鉄骨が入っている構造を指しています。

非常に頑強な造りで高層ビルに用いられますが、解体費用は1坪当たり45,000円〜100,000円以上と最も高い構造体です。

マンションのスケルトン解体の相場

スケルトン工事とは、内装のみの解体工事のことを指しています。中古マンションをリノベーションする際には、まずはスケルトン解体をするところから始まります。リフォーム会社にリフォームと合わせて解体を依頼することもできますし、解体工事のみ専門の会社に依頼することも可能です。

部屋の階数やエレベーターの有無によって廃棄物の搬出のしやすさが異なるため費用が前後しますが、一般的に1坪当たり15,000円〜30,000円程度が相場です。

解体費用地域平均相場をシミュレーション

株式会社クラッソーネは、その場で建物の解体費用が計算できる解体費用シミュレーターを提供しています。カーポートやブロック塀などの付帯物の撤去費用も併せて知ることができます。
解体を検討している建物情報を選択すると、解体費用の地域平均相場がその場でスグにわかります。

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ビル・マンションの解体費用の見積実例

相場は先ほど紹介しましたが、実際の見積金額もいくつかご紹介します。

3階建てマンション解体の見積実例

174坪の鉄筋コンクリート造3階建てマンションの解体費用です。

建物本体の解体費用1090万円(坪6万円強)に植栽や駐車場の撤去費用が加わり、総額1,200万円になっています。

お見積結果

  • 重機解体
  • 手解体
建物種類マンション
坪数174.65坪
階層3階建

解体費用:12,000,245円(税抜)※建物本体の費用:10,933,495円

品名数量単位単価金額
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 内装解体、集積553.021,500829,530
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 躯体解体、集積577.382,0001,154,760
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 基礎解体、集積208.861,800375,948
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 整地・清掃1.050,00050,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 発生廃材積込1385.0500692,500
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 発生材運搬費1385.08501,177,250
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 木くず62.06,000372,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 金属くず266.05,0001,330,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 コンクリートがれき類928.03,0002,784,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 紙くず・繊維くず35.02,00070,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 ガラス・陶磁器くず6.013,00078,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 廃プラスチック類62.08,000496,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 混合廃棄物・石綿含有建材6.030,000180,000
RC造三階建共同住宅解体撤去工事 産業廃棄物処理 石膏ボード類20.024,000480,000
重機回送費1.0100,000100,000
足場仮設工事497.81,000497,800
飛散防止養生シート497.8800398,240
付帯工事 貯水槽撤去工事1.025,00025,000
付帯工事 庭木撤去処分8.035,000280,000
付帯工事 駐輪場撤去1.025,00025,000
付帯工事 アスファルト舗装撤去処分330.0500165,000
付帯工事 車止め二次製品処分12.05006,000
付帯工事 フェンス・CB塀撤去56.5m2,000113,000
付帯工事 コンクリート基礎土留め撤去56.5m3,500197,750
付帯工事 南側物置撤去1.05,0005,000
安全維持諸経費1.0250,000250,000
値引き1.0-132,533-132,533
総合計金額:12,000,245(税抜)

4階建てマンション解体の見積実例

1406坪の鉄筋コンクリート造4階建てマンションの解体費用です。

諸々の解体を含めて4,000万円の総額になっています。鉄骨部分の有価物買取によってキャッシュバックが発生しています。

お見積結果

  • 重機解体
  • 手解体
建物種類マンション
坪数1406.9坪
階層4階建

解体費用:40,000,000円(税抜)

品名数量単位単価金額
仮設工事 飛散防止養生足場 単管組 防音シート一部250.01,800450,000
仮設工事 入口部ゲート及び仮囲い1.0150,000150,000
解体工事 RC造4階建てマンション上屋撤去4650.882,90013,487,552
解体工事 同上内装材撤去4650.889004,185,792
解体工事 同上土間基礎撤去1206.361,6001,930,176
産廃処理工事 木くず 積込運搬処分325.65,5001,790,800
産廃処理工事 石膏ボード 積込運搬処分232.618,5004,303,100
産廃処理工事 混合廃棄物 積込運搬処分279.112,5003,488,750
産廃処理工事 コンクリートガラ 積込運搬処分2442.05,50013,431,000
撤去処分工事 RC造浄化槽撤去処分1.0550,000550,000
その他工事 重機回送費1.0200,000200,000
その他工事 散水設備費1.0350,000350,000
有価物買取費 スクラップ控除210.0t-20,000-4,200,000
お値引き1.0--117,170-117,170
総合計金額:40,000,000(税抜)

5階建てビル解体の見積実例

77坪の重量鉄骨造5階建てビルの解体費用です。

大型クレーンで重機を建物の上に運び、上から解体する「階上解体」という工法を取っています。建物本体の解体費用は525万円(1坪当たり7万円弱)となっています。

お見積結果

  • 重機解体
  • 手解体
建物種類ビル
坪数77.0坪
階層5階建

解体費用:7,244,026円(税抜)※建物本体の費用:5,258,500円

品名数量単位単価金額
仮設養生費(4方、防音シート共)720.01,5001,080,000
鉄骨造陸屋根5階建ビル解体工事 内装解体撤去238.54,000954,000
鉄骨造陸屋根5階建ビル解体工事 躯体解体撤去(手壊し解体)254.514,0003,563,000
鉄骨造陸屋根5階建ビル解体工事 土間基礎コンクリート解体撤去73.25,000366,000
鉄骨造陸屋根5階建ビル解体工事 エレベーター解体撤去1.0200,000200,000
鉄骨造陸屋根5階建ビル解体工事 庇解体撤去1.0ヶ所30,00030,000
鉄骨造陸屋根5階建ビル解体工事 外部鉄骨造作物解体撤去19.15,00095,500
その他工事 土間コンクリート解体撤去53.91,20064,680
その他工事 CB塀解体撤去1.020,00020,000
その他工事 フロンガス除去1.0100,000100,000
重機回送費(往復)1.050,00050,000
廃材搬出レッカー代3.060,000180,000
安全管理費・雑養生費1.0300,000300,000
値引き1.0--200,000-200,000
手数料1.0440,846440,846
総合計金額:7,244,026(税抜)

マンションのスケルトン解体の見積実例

専有面積が14.8坪のマンションの一室をスケルトン解体した際の見積実例です。

1坪当たり3万円強という単価になっています。

お見積結果

  • 重機解体
  • 手解体
建物種類マンションスケルトン解体
坪数14.8坪
階層2階建

解体費用:495,000円(税抜)

品名数量単位単価金額
リビングルーム30.04,000120,000
ダイニングキッチン19.05,00095,000
階段1.070,00070,000
トイレ1.030,00030,000
浴室・洗面1.070,00070,000
玄関1.060,00060,000
諸経費1.050,00050,000
総合計金額:495,000(税抜)

備考:住宅内装解体

ビル・マンションの解体工事の固有事情

ビルやマンションの解体工事では、戸建て住宅の場合と異なった固有事情が有ります。解体を検討する上で、注意しておきましょう。

工期が半年以上かかることがある

建物が大型である分、解体の期間も長期にわたります。

一般に木造住宅の場合は2週間程度で解体工事が終わることが多いですが、大型のビルの場合には半年以上に工期が渡る場合が有ります。

杭抜き工事の費用が大きい

高層ビルの場合、建物を支えるために地中に数十本もの杭を打ち込んでいるケースが多いです。杭を抜く場合には専用の杭抜き機が必要であり、杭抜きだけで数千万もの費用が掛かることもあります。

アスベスト、ダイオキシン、PCBの処理費用が大きい

アスベスト、ダイオキシン、PCBといった有害物質の処理が必要になる場合が多いのもビルやマンションの特徴です。

アスベスト(不燃材として使用)

石綿とも呼ばれるアスベストですが、飛沫を吸い込んだ場合に肺がん等の原因になる有害物質です。ボイラー室や天井裏などに不燃材として使用されていることがあります。

ダイオキシン(焼却炉や煙突に付着)

焼却炉や煙突は、長年使用されるうちに大量のダイオキシンが付着していることがあります。これらを撤去する際には、ダイオキシンの濃度調査と分析を行った後、周囲に配慮しながら解体をおこないます。

PCB(大型電気機器のコンデンサ等に仕様)

変圧器、整流器、遮断器、コンデンサーなどには、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が使われていることがあります。PCBの処理は「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB特措法)に基づいて行う必要があり、大きな処理コストがかかります。

近隣への影響を特に配慮する必要がある

戸建住宅の解体に比べると騒音や振動が大きくなるため、近隣への配慮を十分に行う必要があります。振動が近隣家屋の損傷を引き起こす可能性があるため、事前に家屋調査を行い、工事後に損傷が無かったことを確認するなど、慎重な対応が求められます。

分譲マンションの場合は所有者の合意形成が必要

分譲マンションの場合、区分所有法という法律に基づき、建替えする際には住民の8割が同意を得る必要があります。

ビル・マンションの解体費用を抑えるポイント

高額な解体費用を少しでも抑えるためには、いくつかのポイントが有ります。ここでは、費用を安くするための秘訣をご紹介します。

工事会社の手間を減らす

施主が対応できる作業を行うことで解体費用を抑えることができます。代表的な項目として住宅内に内部残置物を放置しない事です。施主が内部残置物を処分する場合は一般廃棄物となりますので、

粗大ごみやリサイクル家電以外は処分費はかかりません。

補助金や助成金を活用する

解体工事の補助金は、一定の要件や条件を満たすことで支給されます。補助金は建物を解体するための費用として支給されるものであり、施主としては経済的な負担を和らげられます。中には9割負担してくれる自治体もありますので、確認される事をおすすめします。ただし、各自治体によって要件や条件が異なる事や予算の関係から受け入れ件数に限りがありますのでご注意ください。

工事会社の設備に注目する

重機の保有や処分場の有無を確認すると良いでしょう。

重機を保有していれば、リースで借りているよりも費用が安くなることがあります。また、現場に応じて適切な大きさの重機やトラックがあれば効率的に施工を行えるため費用を抑えられる事があります。処分場を保有していれば、処分が自社ででき手数料が掛からない事から費用が抑えられる事があります。

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解体費用ローンも活用する

解体費用をローンで賄う方法としては、銀行から無担保(もしくは担保付)の融資を受ける方法があります。融資実行までは稟議や手続きに時間がかかりますので、お早めに金融機関の担当者に相談しましょう。

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追加工事

  • 養生シート 約800円/㎡ 30坪木造 約15万円
  • ブロック塀 約5万円~10万円(外周境界部分 5段×15M程度)
  • 重機回送費用 約5万円
  • 諸経費 約10万円
  • 土間コンクリート斫 約5万円~10万円(車2台及び玄関アプローチ・犬走部分)
  • 樹木 約5万円~10万円(敷地内数本)
  • 浄化槽・井戸撤去 各約5万円
  • カーポート撤去 約5万円

※上記は立地環境により大きく異なりますので、あくまでも目安金額でございます。

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